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よりリラックスしたお風呂時間を! 入浴剤利用の実態調査

ご存知でしょうか? 2月22日は「温泉マークの日」なのです!

  • 温泉マークの3本の曲線の湯気が、鏡写しにすると数字の2が3つ並んでいるように見える
  • 温泉地らしい3つの言葉(風情、風景、風味)の頭文字である「ふ=2」を3つ並べた

という理由から「2/22」を「日本最古の温泉記号の地」の所在地とされる群馬県安中市の磯部温泉組合が制定し、日本記念日協会が認定しました。これにかこつけて温泉を楽しみたいものですが、コロナ渦の昨今、なかなかそれもままならない状況です。

そこで活躍するのが入浴剤。全国津々浦々の温泉気分を楽しめる入浴剤が各種販売されています。バスオイル、バスポムなど多彩な種類を楽しめる入浴剤。ご自宅で楽しめるお風呂アイテムとして入浴剤は欠かせない存在といえるでしょう。

今回は効果的な入浴剤の利用方法について述べていきます。

バスリエでは「入浴剤利用の意識調査」を実施し、皆様により豊かな入浴体験をご提案したく考えています。ぜひご協力をお願いします!

入浴剤のルーツは温泉や古来の薬湯から!

入浴剤

世界でも有数の温泉国である日本。国民性として古くから天然温泉を利用して病気やケガの治療、健康促進に役立ててきました。

また、同様の目的で薬用植物、漢方薬の利用が盛んに行われた歴史があります。入浴剤が生まれたのはこれらを再現しようとした背景からです。

薬用植物を用いた薬湯は、朝鮮半島か中国大陸から伝えられた治療方法だとされています。植物の葉・実・根・皮などを煮出してその液を湯の中に入れるか、それらの植物を湯の中に直接入れて薬効成分を身体へ取り入れる方法です。

特に有名なのは5月5日の端午の節句に用いられるショウブ湯や冬至のゆず湯などです。古くから庶民のあいだに慣習として受け継がれており、江戸時代には治療を目的としたものがすでに処方化され、皮膚病の治療薬湯などに用いられていました。

明確に入浴剤として作られたのは、後述しますが明治中期です。生薬を配合して布袋に入れて煎じて汁を出して用いる商品が初めて販売されました。当初は天然の温泉成分を乾燥、粉末化したものです。

その後、美肌や健康促進など温泉の健康効果を実際に温泉地まで行かずとも、家庭で簡単に利用できないかという考えが生まれました。

昭和初期には無機塩類入浴剤が開発され、発売されました。この成分が選ばれた理由は、温泉を構成する成分の中でも安全性が高く効果も有り、品質も安定、原料としても確保しやすいといった背景があります。

さらに入浴で得られるリラックス感を助長し、入浴時間を楽しくするために色素や香料が添加されました。

戦前に入浴剤が主に使用されたのは銭湯などの公衆浴場でした。風呂付きの住宅に住む家庭はまだ少なかったためです。

高度成長期が訪れた1960年以降は風呂付きの公団住宅が建ち始め、自宅に風呂があるのが一般化していきました。

80年代に入ると炭酸ガス系の入浴剤が発売され、また国内外の旅行ブームや温泉ブームが起きて多くの温泉系入浴剤が発売されました。一般家庭での入浴剤市場が急速に拡大したのです。

近年では保湿成分などのスキンケア・美容効果が期待できる商品も増え、一般家庭で出来る簡単な健康促進方法として日本人の生活に欠かせない存在となっています。

お風呂はストレスの多い現代社会において、疲労回復や肩こり・腰痛などの諸症状の緩和、気分転換やリラックスの機会ともなります。その中で入浴剤を上手に使うことで日々の心身の健康増進に役立てることができるのです。

一方で、自宅のお風呂でも塩化物泉の効果が得られるようにと、塩を溶かしたお風呂に入る入浴法である「塩湯」も開発されました。塩分のナトリウム成分が肌の表面に薄い膜を作って水分の蒸発を抑えるため、保湿効果と保温効果が期待できます。

国内最古の入浴剤と呼ばれる「五木八草湯」とは?

日本最古とされる入浴剤は、薬草湯として鎌倉時代に記録が残されている「五木八草湯(ごぼくはっそうとう)」が挙げられます。

「五木」とは五種類の薬木で「八草」とは八種類の薬草のこと。諸説ありますが、五木八草湯とは五種類の薬木と八種類の薬草を混ぜ合わせて作った薬湯」という意味になります。

  • 五木:モモ(桃)、ウメ(梅)、ヤナギ(柳)、クワ(桑)、エンジュ(槐)
  • 八草:ショウブ(菖蒲)、ヨモギ(蓬)、オオバコ(車前草)、ハス(蓮)、オナモミ、クマツヅラ、ハコベ、スイカズラ

このうち八草のショウブとヨモギは温泉・サウナのリラックスハーブとしても有名ですね。五木八草湯は用途や目的に応じて数種類の組み合わせで用いられました。

こうした薬草湯が一般に広まるのは、公衆浴場である銭湯が発展した江戸時代になってから。

普通の銭湯料金が8文に対して薬湯は1日64文とする風呂屋もありました。仮に現代の金額に換算すると1文=約30円ですから、ちょっと割高。当時の方々にとっては今でいうスーパー銭湯やスパのような扱いだったのではないでしょうか。

入浴剤として明治に国内初販売された「浴剤中将湯」

1897年(明治30年)、津村順天堂(現 株式会社ツムラ)より日本初の入浴剤「浴剤中将湯」が発売されます。

開発のきっかけは、そもそも同社が当時販売していた婦人薬「中将湯」を作るときに出る生薬の残りを社員が持ち帰り、タライのお風呂に入れたところ体がポカポカ温まり湿疹がよくなったりしたことから銭湯向けの入浴剤として製品化されました。

いわゆるリサイクル製品だったのです。この「浴剤中将湯」は大人気となりヒット商品となりました。

その後、入浴剤は香りや色・効果など様々な改良がなされ、現在では多様多種な商品が多くの企業より販売されています。

温泉と同じくらいの効果が得られるの?種類ごとの効果&効果UP方法

なぜ入浴剤を入れるのか、温泉と同等の効果は得られるのか?

入浴剤

入浴剤の基本的な効果は、お風呂に入ることそのものによって得られる温浴効果(身体を温める、痛みを和らげるなど)と清浄効果(汚れを落とす、皮膚を清浄にするなど)を高める目的にあります。

>この考え方をもとに、商品に表示あるいは広告できる具体的な効果が医薬品医療機器等法で定められているのです。

具体的な温泉の効果

01. 浮力・水圧・温度

ご家庭のお風呂でも同様ですが、お湯に入ると「浮力」が働いて、水中で感じる体重は10分の1になると言われています。これにより筋肉の緊張がほぐれます。そして「水圧」によって血行が良くなりマッサージ効果も。

そして「温度」によって体全身を温めてくれるのも重要です。ぬるめのお湯は副交感神経を優位にしてリラックス効果を、熱めのお湯は交感神経を優位にして心身を目覚めに導きます。

02. 温泉成分によって体に効く

温泉は地域や源泉によって炭酸ガス・食塩・重曹・鉄・無害な放射能などさまざまな成分が含まれています。

03. 転地効果によるストレスの解放

温泉地のような普段とは異なる環境に身を置くことで日常のストレスから解放されることを転地効果と言います。

おおまかにこれら3つが温泉の効果です。入浴剤はおうちお風呂を楽しむ上で温泉成分を追加し、入浴効果を高めてくれる働きを持つのです。

入浴剤の分類・種類は?

体に影響を少なからず影響を与えるものですから、入浴剤は『医薬品医療機器等法』(旧薬事法)により規制されています。その使用目的や成分等により化粧品と医薬部外品の2つに分類されます。

化粧品については、人の体を清潔にし、美化し、魅力を増すものなどと定義されています。

化粧品としての薬剤はこの定義にかなうものでなければならず、表示できる効果は「(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする」「皮膚をすこやかに保つ」「皮膚にうるおいを与える」等の化粧品の効能の範囲に限定されます。

そして医薬部外品は「人体に対する作用が緩和的であること」とされています。

正常な使用方法の下で人体に強い作用を及ぼさないことに留まらず、人体に対しても強い作用を起こさないことを意味します。冷え性やリウマチなど予防の範囲におさまる効果をパッケージに表記可能です。

詳細や目的別選び方は   こちらをご覧ください。

使用時のタイミングに注意!
入浴剤の効果UP方法(入れるタイミングや温度)

リラックスや美容効果が期待できる入浴剤ですが、使い方によっては期待通りにいかないこともあるので注意が必要です。

用法用量を守る

使用する前に大切なのはパッケージを確認し、一度に使う量を確認すること。

発汗作用やアロマ効果など体に良い効果があると人情としてはもっと効くのではないか、と量をたくさん入れてしまいがちです。

ですが、一定量以上を入れてしまうとむしろ肌に負担がかかりトラブルになる場合もあります。それぞれに定められた適量を守って使用することが大切です。

熱すぎない湯温に設定する

自宅のお風呂ですと熱すぎず冷たすぎず、副交感神経を促進させるぬるめの温度にするのが最適だとされています。具体的には38〜40℃程度が良いでしょう。湯温を維持して入浴することでリラックスし、体がほどよく温まっていきます。

熱すぎる湯に入浴剤を入れた場合、その成分に影響を及ぼして効果が十分に発揮できない場合があります。特に湯温高めが好きな方は、入浴剤を使う際は少し抑え目にするとよいでしょう。

炭酸系入浴剤はきちんと溶けてから入る

入浴剤の種類にもよるのですが、特に炭酸系入浴剤は、浴溶け切ってから入るのが無難です。

バスボム等炭酸系の入浴剤だと入浴時に入れると咳き込む場合があります。また、溶けきってから最大の効果があります。浴槽に入れた際に発生する泡に当たると気持ちいいですが、十分に泡がお湯に溶けた状態のほうが、より効果を得ることができます。

入浴剤を入れたあとは早めに入る

きちんと溶かすのは大切ですが、時間が立ってから入浴するのは避けた方よいでしょう。時間経過によって入浴剤の効果は減少してしまいます。なるべく2時間以内に入るようにしましょう。雑菌も繁殖するので、入浴直前に入れて翌日に使い回さないようにしましょう。

特に発泡系入浴剤ですと炭酸ガスの効果が減少しやすいので他の入浴剤と比べて早めに入るのがおすすめです。

長風呂に注意

保湿効果が高い入浴剤でも長く浸かりすぎると肌トラブルを招きかねません。長時間の入浴は、肌に必要な皮脂が失われて乾燥を招いてしまう危険もあります。

長湯をしたりプールを楽しんだりしたあとに指先がシワシワになった経験はありませんでしょうか? そんな状態になるまで入るのは避けましょう。

このほか、入浴剤使用時の注意点をまとめました。

基本的に入浴剤同士は混ぜない

入浴剤は多様な種類があり、それぞれに異なる特質があります。アロマの香りを楽しめるものや温泉気分を味わえる種類や炭酸ガスの泡で疲れがとれるもの、発汗性が高いバスソルト系など。

複数種類があると違う種類の入浴剤を混ぜれば多くの効果をもたらすのではないかと思いがちですが、素人考えはやめましょう。むしろ香りや成分が混ざって効果が損なわれてしまう可能性が高いです。

入浴剤の表記や用法に、他の入浴剤と混ぜないよう注意書きがある場合もあります。

一方で入浴剤の中では、バスオイルなどは混合して使うことができるものもあります。使い方の説明に混合して楽しむ方法が記載されている場合もありますから、そうした商品ならば混ぜて楽しむのもよいでしょう。それ以外の場合は単体で楽しみましょう。

浴槽の掃除はこまめに

入浴剤を使用したときは浴槽や風呂釜への負担も気になるところです。特に注意したいのは硫黄成分で、こちらは浴槽を傷めやすい成分です。温泉系の入浴剤をはじめすべてのタイプでは使用後の注意書きがありますので、よく読み内容を守って使用するのが大切です。

浴槽への影響が気になる場合は、入浴後にすぐお湯を抜いて浴槽を流しておきましょう。色が付着する場合もあるので、浴槽や排水溝はこまめに掃除していきましょう。

香りも色も自分好みに!手作りしてみよう!

通販でもamazon・楽天、小売店だとマツキヨなどのドラッグストアや種類豊富な東急ハンズやLOFTなどでお買い求めの方もいらっしゃるでしょうが、手作りもおすすめです!

昔ながらの生薬・漢方を使った薬草入浴剤の作り方

入浴剤
生薬を用いた手作り入浴剤は低価格なのも嬉しいところ。香りのリラックス効果もありますが、ブレンドしてみることでさまざまな成分が肌や体の調子を整えてくれます。ご自身に合った生薬を配合してみましょう。

簡単な薬草入浴剤の作り方

欲しい効果をもたらす生薬を50~200グラムほど木綿やガーゼの袋に入れましょう。こちらを、浴槽にお湯を張る際に一緒に入れます。

より本格的にする場合は、鍋に生薬を入れ沸騰させ、15分ほど煎じた液体をお風呂に入れる方法もあります。注意点としては香り高い生薬は長く煎じると芳香が飛んでしまいます。煎じる時間を短く、5分ほどに調整しましょう。

それぞれの生薬の持つ効果は以下に列挙いたします。

【冷え性・血行改善】

ヨモギ、チンピ、紅花、松藤、ローズマリー、ショウガ、蘇葉など

【かゆみ・肌荒れなど皮膚のトラブル】

カミツレ、スギナ、十薬、琵琶葉、連銭草、桃の葉、菊花、ハッカなど

【肌の痛み】

連銭草、ローズマリー、ウイキョウ、松藤、チンピなど

【デトックス効果】

十薬、琵琶葉、ローズマリー、スギナ、連銭草、蓮の葉、ウイキョウ、ハッカ、蘇葉など

【婦人病・美肌効果】

ヨモギ、紅花、カミツレ、ジャスミン、ローズマリーなど

かわいい「バスボム」や手軽な「バスソルト」の作り方

ブクブクしゅわっと泡立たせて良い香りがお風呂時間を楽しい気分にさせてくれる「パスボム」ですが、実は水回りの掃除にも使う「重曹」と「クエン酸」で手作りできるのです!

重曹を入れたお湯は弱アルカリ性の柔らかいお湯になり、汗や油などの酸性の汚れ落ちがよくなります。この重曹とクエン酸を合わせて水を加えると、化学反応が起きて炭酸ガスが発生するのです。

重曹とクエン酸の分量の割合は2:1にして食用のものを使用しましょう。小さめのバスボムひとつにつき重曹30グラム・クエン酸15グラムの配合がおすすめです。

ボウルにクエン酸と同量の食塩と欲しい香りのエッセンシャルオイルを入れ、重曹とクエン酸を混ぜます。ムラが出ないように竹串などで混ぜ合わせつつ、霧吹きで水を少しずつスプレーしてあわ立ちさせましょう。

ラップで包んだりガチャガチャなどのカプセルにつめたりして球形にして乾燥させて完成です。

バスソルトもお手軽にハンドメイドできます。用意するものはアロマオイルに天然塩かエプソムソルト、保存用のガラス容器と混ぜるためのスプーンです。

バスソルト大さじ1杯につきアロマオイル1~5滴が基本の分量となります。必要量に応じてバスソルトとアロマオイルの量を調整しましょう。

もっとも簡単な方法ですと、まず天然塩もしくはエプソムソルト大さじ3をガラス容器に入れます。

アロマオイルを数種類用意し、好みに合わせて合計3~15滴になるように、ガラス容器に入れておいた天然塩に垂らしてスプーンでよく混ぜます。

以上でできあがりです。香りが飛んでしまわないように保存時はしっかり密封しておきましょう。

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