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五月病にかかってしまったら!自宅でできる治し方を紹介

この記事を書いた人

椎名珠生

臨床検査技師として医療機関勤務を経て、臨床心理学修士課程修了。
臨床心理士・公認心理師・ライター。2児の母。現在は教育相談を中心に、子どもとその家族のカウンセリングに携っている。
1人ひとりが抱える悩みに丁寧に寄り添い、1歩でも前にすすめるような支援を行っている。

うつ病とはどう違う?症状と原因を解説!

五月病って?

五月病」とは、入社や進学したものの新しい環境に慣れずに、心身に無気力感や疲れを感じてしまう症状
新入社員や学生が、5月のゴールデンウィークが明ける頃に心身の不調を訴えることが多いことから、こう呼ばれるようになりました。 弊社調べに拠ると、アンケートをとった200名のうち、7割以上が「五月病だと感じたことがある」と回答しています。
また、新入社員に限らず、転職や重要ポジションに就いたといった環境変化や、女性特有の不調なども相まって五月病の症状に繋がるといったことも見られるようです。

Q:五月病だと感じたことはある?

また、4月は新しいことが続いて緊張が続ており頑張っていたものの、5月の大型連休で緊張の糸が途切れてしまい、休み明け「会社に行きたくない」という感情が沸き上がってしまいます。 そのことで精神的・肉体的に悪い症状が顕れてしまう…といったパターンもあります。

うつ病とは違う?

うつ病は病気ですが、五月病は病気ではありません
五月病は”適応障害”と呼ばれており、「入社したからそうなった」、「転職したからそうなった」と原因がはっきりしたものになります。 対するうつ病は「なんとなく気分が沈む」と原因がはっきりとわからないものになります。

五月以外でも罹る可能性がある!?

「五月病」は、あくまで新年度に入って5月に罹りやすいことがあるために呼ばれている名称。
環境の変化というのは、転職のタイミング・異動のタイミングなど人によって様々ですので、当然5月以外にも起こり得ます。
また、5月病にかかって6月に入っても症状が続く場合、俗に六月病と呼ばれることも。 4月~5月を切り抜けたからといって油断はせず、普段から自分のストレス管理をすることが重要です。

こんな症状が出たら要注意!

どんな症状が出たら五月病の可能性があるのかを、以下項目でチェックしていきましょう。

  • 睡眠不足・寝つきが悪い
  • 食欲不振
  • ネガティブなことばかり浮かぶ
  • 自信がなくなる
  • 頭痛
  • 腹痛
  • 気持ちがさえない
  • やる気が出ない
  • 集中力がなくなる
  • 悪酔いする

上記の症状が複数当てはまるようであれば、五月病に罹っている可能性があります。 五月病は基本的に、環境に慣れれば自然と治っていきます。ただし中には症状改善が見られず、2週間・3週間経っても治らない、という方も見られます。
そのような場合には、2週間を1つの目安にして診察を受けるか否の判断にして頂ければと思います。
上記の症状が顕れて2週間以上経っても改善されず、日常生活に支障を来しているような場合には、病院・クリニックを受診するのをお勧めします。

どうすれば良い?五月病の治し方

五月病だな、と思ったら

前述のセルフチェック項目を参考にして頂き、五月病っぽいな…と思った場合には、悪化する前に対策をとりましょう。
以下に簡単に行えるご対処法をご紹介していきます。

Q:五月病に罹った際の対策は?

上記は、五月病に罹ってしまった際に、実際に皆さんが行った対策です。 圧倒的に多かった回答が「睡眠をとった」そして「何もしていない」というひとが2番目に多いという結果に。
以下でご紹介している方法はどれもセルフでできる簡単な対策ですので、これまで何もしていなかった、という人も、症状が酷くなる前に是非実践してみてくださいね。

睡眠をとる

心と身体の快復には”睡眠”は基本中の基本。なかなか寝付けないよ、という人もいるかと思いますが、そういう方は寝る前の過ごし方をちょっと工夫してみましょう。 睡眠前のストレッチやアロママッサージ、布団に入る30分前には照明を暗くする、などといった方法は効果的です。
また、現代社会ではどうしても手放せないスマートフォン。こちらも入眠前には見ないようにするだけで、寝つきが良くなったり、睡眠の質を上げることができます。

バランスの良い食事

基本的には栄養バランスのとれた食事がおすすめ。
しかし心が沈んでいる時は、そうそう栄養バランスについてしっかりと考えることもできないものです。そんな場合には、好きなものにプラスして、手軽に採れる野菜ジュースや果物なども積極的に取り入れ、偏らないよう気を付けましょう。 精神的に不安定なときに好きなものばかりをやみくもに食べていたら、過食にも繋がりかねませんので、その点は注意が必要です。

趣味の時間を設ける

好きなことをやっている間はイヤなことを忘れられるもの。身体を動かす運動はもちろん、読書や映画鑑賞など、とにかく自分の好きなことをする時間を設けましょう。

運動する(身体を動かす)

アンケートでは3番目に回答が多かった対策。運動にももちろんリフレッシュ効果があります。
しかしこれは人によるものであり、運動嫌いな人が無理に運動して余計に悪化してしまう場合も。もし運動が嫌いだとう人は、ちょっと近所を歩いてみる、ラジオ体操のような簡単な運動をしてみる、など、身体を動かす程度がお勧めです。

お風呂に入る

お風呂には自律神経を整えるという働きがあります。これについては次項で詳しくご紹介していきたいと思います。

その他、朝無理して起きない、頑張りすぎないなども対策のひとつですので、是非こういったことを意識して頂ければと思います。

五月病を予防しよう!お風呂でできるストレス対策

未然に防ぐには?

五月病を未然に防ぐには、基本的には罹ってしまった場合の対策同様、以下のことを普段から意識的に行っていただくことが効果的です。

  • 頑張りすぎない(ON/OFFを大切に)
  • 睡眠をとる
  • バランスの良い食事
  • 趣味の時間を設ける
  • 運動する(身体を動かす)
  • お風呂に入る

Q:五月病を防ぐための対策は?

上記は、未然の対策として実際に皆さんが行っていること。
やはり多くの方が十分な睡眠を心がけているようです。それ以外には趣味を持つ、運動をする、そして毎日入浴するという割合も1割程度見られました。

上記に加え、普段から夜更かしをしない等、生活リズムを乱さないようにすることも重要です。

お風呂は予防にも罹った際にも有効手段!

前項でもご紹介してきました通り、お風呂(湯に浸かること)は五月病の予防としても、罹った際の対策としても、どちらにも有効です。 バスリエ調べでも、お風呂に入って症状が緩和されたと回答された方が48%と、半数近くの割合でした。

Q:入浴により症状が緩和されたと感じることはある?

ただし間違った入り方をしてしまうと逆効果にもなる可能性が。
是非以下で上げる方法を意識して、毎日入浴して頂けたらと思います。

Point1:湯温はぬるめで

38~40℃のお湯が最適です。
ヒトの内臓や代謝・体温などをコントロールする自律神経というものがあるのですが、その自律神経は交感神経と副交感神経に分かれています。 よく例えられるのが車のアクセスとブレーキ。
交感神経=アクセル、副交感神経=ブレーキの役割。人間の体が活動的になるときは交感神経(アクセル)が優勢に、休息しているときは副交感神経(ブレーキ)が優勢になるのです。 この副交感神経が優勢になる温度がぬるめの38~40℃。身体が休息の体勢に入るというわけです。

Point2:湯に浸かる時間は15分程度

ぬるめの湯であっても、長風呂をしてしまうと身体が必要以上に温まり、興奮状態(交感神経優勢)になってしまいます。 ですので、浸かる時間にも注意して、15分程度で上がるようにしましょう

湯の設定温度別に見てみると以下のとおり、ぬるめは“少しある”“あまりない”が半々程度、熱め設定だと“ある・少しある”が31.58%、”あまりない・全くない“が31.58%と、こちらも半々程度の割合となっています。 一方適温の設定にしている人は、“ある・少しある”が52.6%、“あまりない・全くない”が26.63%と、ある派がない派の約倍の割合となりました。

Q:入浴により症状は緩和された?

適温の場合

ぬるめの場合

熱めの場合

プラスαで実践

上記の基本の入り方に加え、以下のことも実践してみると、より効果UPに繋がります。
これ以外にも、ご自身の楽しい入り方を見つけて、症状改善に役立ててくださいね。

スマートフォンを浴室に持ち込まない

→スマートフォンは現代では肌身離さず持っていることが普通ですが、これもストレスの原因のひとつ。せめてお風呂には持ち込まないなど、スマホを気にしない環境を作ることがポイントです。

音楽を聴いたり、読書をする

→好きな音楽やほっこりできる物語を読むのも◎。全身お風呂で癒されながら趣味を楽しむことで、沈みがちな気分も上向きになるはず。

入浴剤を入れる/アロマを活用する

→好みに合う色・香りの入浴剤や、リラックス効果のあるアロマも効果大。

ライトを落としバスライトを点ける

→普段よりも少しライトを落とし、バスライト等で非日常な空間を演出すればリフレッシュもできます。

4月5月を迎えると目立ってくる五月病。
まさか自分が…と思っているかたも多いことと思いますが、こういった心の病というのは思いがけず罹ってしまうもの。 自分は大丈夫、慣れればすぐ治る、などとあまく見ずに、普段からのセルフ対策を是非心がけてみてくださいね。

五月病のアンケート調査は引き続き行っていますので、是非ご協力をお願い致します!