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湯治とは?その効果と手順&お手軽なプチ湯治(現代湯治)をご紹介

みなさんは、医療目的で温泉に浸かる「湯治(とうじ)」体験をしたことがありますか?
日本では古くから、温泉を療養目的で利用し続けてきました。その代表例が、「湯治」と呼ばれるものです。
この記事では、そんな伝統的な湯治とともに、忙しい現代人に向けた現代的な方法もご紹介していきます。

湯治ってなに?

湯治って聞いたことはあるし、なんとなく良さそうなイメージがあるけれど、実際にはどのようなものかわからない・・・という人も、結構お多いのではないでしょうか?
そこでまず、”湯治”とはそもそもどんなものなのか、その歴史と観光目的での温泉旅行との違いについてご紹介します。

湯治とは?

湯治とは、旅館に1~4週間ほどの長期間滞在して、病気やケガなどの温泉療養を行うことです。

日本では古くから温泉が療養目的としても利用されてきました。湯治の本質はさまざまな成分が含まれている温泉と、温泉地を取り巻く豊かな自然のリフレッシュ効果によって、人間本来の自然治癒力を高めることにあると言われています。

今日でもアトピーや癌(がん)、リウマチやヘルニア、神経痛や骨折などの療養を目的にした湯治が行われ続けています。

湯治の歴史

温泉といえば、現代では観光地としてのイメージが一般的ですが、実は元々は湯治をする場所でした。
この温泉の医療利用については、約1300年前にはすでに行われていたそうです。現代のようには衛生や医療の知識が十分に発達していなかった時代において、入浴や飲泉というかたちで温泉療養が行われ続けてきました。
また、仏教においては病を退けて福を招来するものとして入浴が奨励されたことも、湯治が盛んになった理由の1つと言われています。
しかしながら、湯治を行っていたのは権力者など一部の人に限られていたのが実情でした。それが江戸時代になると一般の人の間でも湯治が盛んになり、それが今日まで続いているわけです。

湯治の効果

湯治にはさまざまな効果効能が期待できますが、温泉には多種多様の成分が含まれているため、入り方によっては逆に体調を崩してしまうケースもあります。

自然治癒力を高める

湯治の一番の目的は前述の通り人間本来の“自然治癒力”を高めるという点にあります。そのため病気やケガを温泉の力のみで治す、というものではなく、温泉の力をプラスして疾患が治癒しやすくする、というものです。

リフレッシュ(転地効果)

温泉に入ってリフレッシュする理由の1つに、「転地効果」があります。
転地効果とは、普段生活している環境とは違う場所に行くことで得られるリフレッシュ効果のことです。 温泉は自然に恵まれた場所にあることが多いので、その天地効果をより得ることができると言われています。湯治となると長期間その宿に滞在することによって、日常の生活の場から長い間離れることになりますので、より大きな転地効果を得られることが期待できます。

湯あたりしにくい泉質

湯あたりとは、温泉に含まれる温泉成分によって、頭痛・めまい・発熱・嘔吐などの体調不良を起こすことです。自宅のお風呂でも起こすような「のぼせ」とは、そもそも起きるメカニズムが異なるわけですね。
湯あたりが起きるのは、温泉成分が身体に合わないためです。つまり刺激の弱い温泉成分からなっている泉質が、湯あたりしにくい温泉地と言えます。
具体的には、「単純温泉」や「二酸化炭素泉」などが低刺激で湯あたりもしにくい泉質です。 一方で、刺激の強い「酸性泉」は湯あたりしやすく、かつ皮膚が弱い人には向かない温泉の泉質です。
「好転反応」と言って、一時的な体調不良の場合もありますので、その場合は2~3日経つと次第に温泉に慣れてくる場合があります。

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温泉旅館などにある「ゆ」の字、「温泉マーク」を柄にしたボディタオル。

泡立ちのいいナイロン製なので、シャリ感があり、心地よい刺激が欲しい方にお勧め。
温泉や銭湯などに持って行って、見せびらかしたくなる商品です。

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湯治のやり方の基本

では実際に湯治に行った場合、どんな風に宿で滞在期間を過ごして、どんな風に入浴すればいいのでしょうか。そちらを、これからご紹介していきます。

湯治滞在中の宿でのサイクル

宿に長期間宿泊する湯治ですが、その基本サイクルは1週間単位です。それを「一廻り」と呼びますが、それを三廻り=3週間 にわたって繰り返すことで、体調を正常に戻す効果があるとされています。
初日から3日目までは1日2~3回の温泉に浸かり、湯あたりをおこしやすい4日目で入浴を休むか1日1回の入浴に控えます。そして5日目から7日目までは、また1日2~3回のペースに戻すというのが一般的です。
これを「三日七廻り」と言います。

温泉に浸かる際の入浴作法

01.身体を慣らす

温泉に浸かる前は、まずは身体を温泉に慣らすために、足・腰・肩・胸の順番に温泉をかけ湯します。その後に半身浴で身体を慣らしましょう。

02.ひとやすみしてから再び入浴

最初は3~10分位浸かったら、1度温泉から上がってひとやすみ。その後またしばらく入浴します。

03.水分補給して30分以上休憩

温泉から上がったら、汗をたっぷりかいたはずなので水分補給をとるようにしましょう。そして温泉入浴によって血圧も大きく変動していますので、30分以上は休憩します。

※温泉から上がった時には、シャワーを浴びないようにしましょう。身体に付着した温泉の成分をそのままにしておくことで、湯上り後も温泉の効能が期待できます。

01~03を1日に何度も繰り返し、それを「三日七廻り」続けます。

温泉気分を楽しもう!

湯治におすすめの温泉地はどこ?

湯治場とは?湯治宿と一般の温泉宿はどう違う?

湯治場とは、療養などを目的とした湯治を行うための、長期的に滞在する温泉地のことを言います。観光目的ではないため、観光地として有名な温泉街などとは性格を異にし、質素かつ娯楽施設等はありません。

湯治目的のかた向けの宿泊施設は、最低限のサービスのみで、自炊が基本というとこ

ろも多く見られます。その分料金設定が低い点も湯治宿の特徴です。

著名な湯治場

大沢温泉(岩手県)

泉質:弱アルカリ性単純温泉

特徴:花巻市の花巻温泉郷にある、大沢温泉(一軒宿)です。加水・加温・循環・消毒等を行っていない源泉掛け流し温泉で、大自然に囲まれており転地効果も大いに期待できます。現在では少なくなっている混浴の浴場や自炊できる宿泊施設もあり、古くからの趣を残しています。

酸ヶ湯温泉(青森県)

泉質:硫黄泉

特徴:八甲田山の山中にあり、酸ヶ湯温泉宿(一軒宿)があります。旅館部・湯治部に分かれており、日帰り湯治体験のプランや素泊まり自炊可能なプランなどもあります。

鳴子温泉(宮城県)

泉質:単純温泉・塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・含哲泉・酸性泉・硫黄泉

特徴:宮城県大崎市にある、奥州三名湯のひとつです。湯治宿はもちろん、観光向けのホテルや旅館なども多く在り、宿ごとに泉質が異なります。戦後に早稲田大学の学生が掘り当てた“早稲田桟敷湯”などの公衆浴場も楽しめます。

地獄温泉(熊本県)

泉質:単純酸性硫黄泉

特徴:熊本県阿蘇郡にあり、青風壮(一軒宿)があります。加水・加温・循環・消毒等を行っておらず、混浴である「すずめの湯」は湯船の底から源泉が湧き出しています。自炊・食事有両方のプランがあります。

三朝温泉(鳥取県)

泉質:含放射能/ナトリウム・塩化物泉、含放射能/単純泉

特徴:

鳥取県東伯郡にあり、日本最大規模のラドン温泉地域です。三徳川の両岸に多くの宿が立ち並び、現代湯治対応のところもあります。

※こちらでご紹介した湯治場はごく一部の例です。この他にも、日本には素晴らしい湯治場がたくさんあります。

まずはここから!お手軽湯治

ご紹介したとおり、湯治は非常に長期にわたる療養方法です。そんな悠長に宿泊する余裕なんかない!仕事もあるし現実的に難しい!というかたにおすすめなのがお手軽湯治方法です。

ひそかに流行っている、「プチ湯治」

基本サイクルが3週間だと、忙しい現代人にはなかなか確保できない日数です。

そういった関係から、実は昨今では「プチ湯治」がひそかに流行っています。
プチ湯治とは、宿に2泊3日~3泊4日の短期滞在することによる、ちょっとした湯治体験のこと
。日々忙しく働いている人たちが肉体的な疲労や精神的なストレスを取ったり、免疫機能を整えたりするための湯治が、いま「プチ湯治」として知られるようになってきました。

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ご自宅での「おうち湯治」のご提案

温泉宿に行ってプチ湯治を行うのもなかなか難しい方におすすめしたいのが、入浴剤を利用して自宅で行う「おうち湯治」です。

自宅で行うおうち湯治は、実は歴史的にも行われてきました。
日本では中世のときから、温泉を自邸や別荘まで運ばせて湯治をする人々がいました。しかし温泉を運ぶには人手が必要となので、上流階級の人しか行うことができませんでした。 それが今は、さまざまな入浴剤を気軽に購入できる環境ですので、だれもが自宅でおうち湯治を利用できる環境にあります。
一人で旅行に行きにくい方でも、このおうち湯治なら気軽にチャレンジできますね。

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自宅やホテルの浴室は清潔感があってシンプル。でも悪く言えば殺風景…。そんな浴室でも温泉風景が楽しめる体感型お風呂ポスター「IMACOCO」は、“まるで今ここに居る”をコンセプトとした新感覚のお風呂ポスターです。

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バスリエでは、湯治に関するアンケート調査を行っています。簡単な内容ですので、是非ご協力をお願い致します。