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”季節湯”経験者は9割!季節湯に関するアンケート調査結果

日本人の生活に古くから根付いている習慣“お風呂”。
清潔を保ことはもちろんですが、ゆっくりと湯船に浸かって疲れをリフレッシュする習慣は海外には殆どなく、日本特有のものとされています。
そして冬至の日にお風呂にゆずを入れる“ゆず湯”や、端午の節句に菖蒲を入れる“菖蒲湯”なども、日本人独特のもの。 そのゆず湯や菖蒲湯は古くから”季節湯”として親しまれてきましたが、実はこの季節湯、ゆずや菖蒲以外、1年12ヵ月全ての月にそれぞれのものがあるということを知っていましたか? バスリエでは、この季節湯について、どれだけの方が認識していたか、またどれだけの方が入った経験があるのかを調査しました。

季節湯ってなに?

季節湯の定義

冬至の日に湯にゆずを入れる「ゆず湯」や端午の節句である5月5日に菖蒲を入れる「菖蒲湯」など季節の植物を湯船に入れる習慣がありますが、こうした季節にちなんだ果物や植物を湯船に入れてつかる入浴法のことを”季節湯”と呼びます。
四季折々のものを使用するお風呂は、日本の季節を全身で感じリラックスできことはもちろんのこと、温浴効果を高めたり美肌に効果があったりと、様々な効能があると言われています。
そんな”季節湯”のうちの、ゆず湯や菖蒲湯は有名で多くの人が知っていてかつ入浴した経験もあることでしょう。 しかし前述の通り”季節湯”は月ごとに様々なものがあり、それを認識していた、という人は日本人でも少数なのではないでしょうか。

実際、バスリエ調査結果を見てみると、知っていたという人が33.5%、知らなかったという人が66.5%で、知らなかったという人が知っていたという人の約2倍の割合となりました。

20代

30代

40代

50代以上

ただ、少々意外な点もあり、年代の高い人の方が昔ながらの“季節湯”の存在を知っているのかと思いきや、意外なことに20代のほうが知っていたという割合が高く、年代が上がるごとに割合が下がっています。 これに関しては、ネット環境が当たり前の現代で、様々な情報が簡単に手に入るどころか、とくに求めていなかった情報までもが日々SNSなどでも流れてくることなどが、一因としても考えられます。

では、ゆず湯や菖蒲湯意外の季節湯にはどんなものがあるのか、次項で詳しくご紹介していきたいと思います。

各月の季節湯の特徴とその歴史

各月の季節湯

1年間における12カ月それぞれの季節湯の種類は次のとおりです。合わせて効能もみていきます。

  • 1月 松湯
  • 2月 大根湯
  • 3月 よもぎ湯
  • 4月 さくら湯
  • 5月 菖蒲湯
  • 6月 どくだみ湯
  • 7月 もも湯
  • 8月 はっか湯
  • 9月 菊湯
  • 10月 生姜湯
  • 11月 みかん湯
  • 12月 ゆず湯

1月 松湯

新年を迎える際に玄関に飾る「門松」ですが、冬の時期も青々とした緑を保っている松は「不老長寿」の象徴とされています。
また、「神を待つ(松)木」として大変縁起の良い植物だとされています。松には精油成分が多量に含まれており、体のすみずみまで温まるとして1月は松湯に入るようになりました。

効能:保温効果、森林の香りでリフレッシュ効果

2月 大根湯

大根の辛味成分には炎症を抑える、咳を止める、殺菌効果などがあり風邪をひいたときなどは昔から食べられていきました。
また、大根の葉にはビタミンAやB1、C、E、カルシウム、鉄、ナトリウムなどの成分が豊富で、このほか温泉に含まれるという塩化物質や硫酸イオンなども含まれています。

効能:保温効果、新陳代謝の促進、民間療法として冷え性や婦人病治療などにも

3月 よもぎ湯

春が旬のよもぎは草団子や草餅などの材料として身近な植物です。漢方に使われるほどの高い薬効を持ちます。

効能:止血、殺菌、保温・発汗、解熱作用、肩こり・ようお通・神経痛に効く、香りでストレス解消・安眠

4月 さくら湯

桜湯には樹皮を用います。煮出した樹皮には消炎効果があるとされ、湿疹や打ち身などの炎症を和らげる目的で桜湯に入る習慣ができました。

効能:消炎、湿疹・打ち身に効く

5月 菖蒲湯

端午の節句(5月5日)に菖蒲を「勝負」や「尚武」にかけて、武家の子供の丈夫な成長を願って菖蒲を入れたお風呂に入ったのが始まりとされています。
菖蒲湯はとても強い香りがしますが、この香りが邪気を祓い厄難を除くとされたため、菖蒲湯に入る文化が広まったとされています。

効能:血行促進、疲労回復、香りでリラックス

6月 どくだみ湯

多くの効能を持つどくだみは漢方の世界で「十薬(重薬)」とも呼ばれており、「ゲンノショウコ」「センブリ」とともに日本三大薬草のひとつとされています。抗菌や消炎効果を期待され、昔からにきびやあせも、湿疹対策として用いられました。
湿気が多く、暑くなり始める6月にぴったりの季節湯です。

効能:消炎、抗菌、あせも・湿疹・水虫・かぶれ

7月 もも湯

7月ごろから旬を迎える桃。「夏の土用はもも湯に入る」のは江戸時代からの習慣です。
肌トラブルを抑える効果があるので、紫外線量の多い夏場にはぴったりの季節湯です。

効能:消炎、解熱、収れん、日焼け・あせも・湿疹・虫刺され

8月 はっか湯

ハーブの一種「ペパーミント」でありメントール成分が爽やかで清涼感が味わえる「はっか湯」は真夏の暑い時期によく合う季節湯です。
湯上がり後はさっぱりとしますが実は体を温める効果があり、冷房による冷えにも効果的です。

効能:保温、血行促進、疲労回復

9月 菊湯

菊の香りは夏の疲れを癒してくれるものとされてきました。菊湯には通常、乾燥したものを使うが、生のまま使われることも。
なお、菊湯には野生で多くみられるリュウノウギクという種類を用います。

効能:保温、血行促進

10月 生姜湯

辛味成分と精油成分が豊富で、湯に入れると身体を温める効果があるとされてきました。
また辛味成分には、防腐・抗菌作用、抗酸化作用があるとされ、さまざまな漢方にも用いられている。

効能:保温、血行促進、抗菌

11月 みかん湯

柑橘類の果皮に含まれる精油成分には血行促進作用があり、体が温まり湯冷めしにくいという効果がります。冬の定番果実「みかん」は美味しく食べるだけではなく、皮を季節湯として用いることができます。
古くからみかん湯に入ると「体が温まり風邪を引きにくい」といわれてきました。

効能:保温、美肌効果、爽やかな香りでリラックス効果

12月 ゆず湯

冬至には「ゆず湯」に入ると一年中風邪をひかないという言い伝えがあります。
この時期に旬の「ゆず」はみかんと同じく柑橘類の果実なので、体を芯から温める効果があり、冬の薬湯としてもうってつけです。

効能:保温、血行促進、消炎、抗菌、冷え性・ひび・あかぎれ・風邪に効く、爽やかな香りでリラックス効果

季節湯の歴史

季節湯の歴史は古く、平安時代に真言宗の開祖である空海が医療の一環として始めたものだとも言われています。当時は季節湯の薬効を治療として用いられていたと考えられます。

江戸時代になると一般的になり、季節湯は治療を目的として処方化され、皮膚病などに用いられました。
また、慶長年間の終わり(17世紀初頭)になると、あちこちに銭湯が建てられ、「町ごとに風呂あり」といわれるほどに広まりました。 その中には端午の節句の菖蒲湯、冬至の柚子湯をはじめとする「季節湯」を、身体に良い薬草風呂として用いることもあったようです。 銭湯の主人は客寄せのために「草津温泉の湯花入り」「あせもや胃弱に効能がある」など、さまざまな効能をアピールしたといいます。

なお、江戸時代の銭湯は混浴でした。幕末の日本に来たペリー提督は、その様子を見て「男女混浴なんて、日本人は野蛮な民族だ」と評したそうです。 風紀の乱れを案じた徳川幕府は、「寛政の改革(時の老中・松平定信が発布。1787年~1793年)」において「混浴禁止令」を出しますが、ほとんど守られることはありませんでした。 銭湯側が御触れを無視して混浴を続けたのは、男湯と女湯を分けると水や燃料がかさんでしまうなどの理由があったからです。
そこで禁止令に対して、営業形態を混浴の認められていた「薬湯風呂」にした結果、「薬湯風呂」が流行ったといわれています。混浴が認められていたから薬湯風呂、季節湯の習慣が残ったという見方もあると言えそうです。

このように古い歴史を持つ“季節湯”ですが、現代ではどのくらいの人が体験したことがあるのでしょうか。
次項でバスリエが調査した結果を元に、解説していきたいと思います。

“季節湯”経験のある人が9割!季節湯に関する実態調査

季節湯自体に入ったことがあるという割合は9割となり、多くの方が経験があるということがわかりました。
代表的なものとしてはやはり冬至の“ゆず湯”や子供の日の“菖蒲湯”の存在が非常に大きいと見え、この2つは入ったことのある季節湯1位2位となっています。 松湯や桜湯、桃湯、菊湯などはそう簡単に手に入るものではないためもあるのか、非常に低い数値となりました。
大根の葉に関しては、葉付大根を売っているお店が近年では非常に少なくなっていることも一因と言えるでしょう。

20代

30代

40代

50代以上

年代別に見ると、どの世代でもやはりゆず湯が圧倒的人気であるのが見て取れます。
続いて全体人気2位の菖蒲湯はというと、年代が上がるごとに割合が増えており、20代では10%程度であるのに対し、50代以上では約26%と、16%もの開きが出ています。
年中行事の五月の節句とも関連のある菖蒲湯、おじいちゃんおばあちゃんのいるご家庭であればお子さんの頭に菖蒲を巻いて、菖蒲湯を入れて…といった伝統的な行事も行うかもしれませんが、それが世代が下がるにつれて見受けられなくなっているのかもしれません。
逆にハッカ湯などは、ここ数年夏になると清涼系のコーナーでハッカの入浴剤やハッカのアロマなどを売り出しているせいもあるのか、50代以上では0%であるのに対し、20代では割合高めの数値となっています。

高い年代の人ほど家で季節湯を楽しんでいる!

Q:家で季節湯を行ったことはある?

全体

家で季節湯を行ったことがあるかどうか、ということになると、入ったことのあるという割合よりも若干減り、74%という結果に。 

20代

30代

40代

50代以上

家で季節湯を行ったことがあるかどうか、ということになると、入ったことのあるという割合よりも若干減り、74%という結果に。 年代が上がるごとに経験割合が高くなり、20代では“ある”が約64%であるのに対し、50代以上では約85%と、2割以上もの開きが出ました。

では、家で季節湯を行わない理由はどういったことなのでしょうか。

Q:家で季節湯を行わない理由は?

  • 1位 後処理が大変
  • 2位 面倒くさい
  • 3位 普段から入浴剤等を入れない
  • 4位 難しそう
  • 5位 興味がない

トップから後処理が大変、面倒くさい、とのことで、いろいろと準備や片付け、やり方作り方などを考えると、その時点で「もういいや」となってしまうのだということが伺えます。

癒しも大切!だけどやっぱり季節感も重要!

続いて、”季節湯”に求めるものを見ていきましょう。

Q:季節湯に求めるものは?

トップに来たのは“リラックス”。
折角いつもよりも手間をかけてお風呂に入るのですから、やはり普段よりもリラックス効果を高めたいですよね。続いて“季節の楽しみ”が約18%。 “季節湯”というくらいですから、これも求める効果として重要なポイントです。

Q:実際に感じた効果は?

実際に感じた効果としてもトップがリラックス、季節の楽しみが2位、リフレッシュが3位となりましたが、双方とも“求めるもの”よりも高い割合となっています。 ただし疲労回復や健康増進、美容効果などに関しては“求めるもの”よりも“感じた効果”の割合が低くなってしまっています。
この結果から、“体に物理的に働く効果”よりも“心理的な効果”のほうが、季節湯においては期待ができると言えそうです。

今後入ってみたいのは?やっぱり人気はあの植物!

Q:今後入ってみたい季節湯は?

入ってみたい季節湯としては“桜湯”がトップに。続く“桃湯”や“蜜柑湯”、“ゆず湯”も良い勝負です。桜や蜜柑、ゆずなどは見た目も可愛らしい印象があるためでしょうか。 順位の低い大根や松・菖蒲湯・どくだみなどと比較してみると、比較的上位はSNS等でも見栄えのするようなものがランクインしています。
ただし“桃湯”に関しては、果実を入れるのではなく葉を入れる、また蜜柑湯も同様で、皮のみを入れて果実は入れませんので、もしかしたら、一般的なイメージと実際のものにズレが生じている可能性があります。

もちろん“これが一番正しい”というものはありませんので、写真映えするように贅沢に果実を入れてみたり、もしくは様々な植物を組み合わせて入れてみるのも楽しいと思いますので、是非オリジナルの季節湯を楽しんで頂ければと思います。

季節湯に関するアンケートは引き続き行っています。簡単な内容ですので、是非ご協力をお願い致します!