コロナの影響で在宅ワークが増えていると聞きます。
長時間のパソコン作業は体が固まってきますよね。また在宅ワークは出勤がないため、意識して運動する時間を作らないと、さらに筋肉が緊張してしまいます。
そのようなストレスのかかる環境が続くことで「前かがみになると脇腹が痛む」「朝からあばらがずっと痛い」「肋骨が痛くて息苦しい」といった、肋間神経痛の症状に悩まれている方も多いのではないでしょうか?
胸に強い痛みが出るため、原因がわからないと「もしかして心臓の病気?」と不安に感じますよね。
また肋間神経痛が長引くと日常生活にも支障が出てくることが考えられます。
こちらのページでは、肋間神経痛の原因と治し方をメインにまとめてあります。
肋間神経痛に効く入浴方法、自宅で簡単にできるセルフケア方法もご紹介していますので、肋骨の痛みでお悩みの方はぜひ最後まで目を通してみてください。
肋間神経痛とは?どんな症状?
肋間神経痛はどのような症状なのか、こちらで詳しくみていきましょう。
肋間神経痛とは?
肋間神経痛とは肋間(肋骨と肋骨の間)を走る神経がなんらかの原因で痛みを生じたものをいいます。
肋間神経痛は何かの病名というわけではありません。「頭痛」「腹痛」などと同じように、背中〜脇腹、前胸部に生じた痛みの総称をいいます。
初期症状は?重症になるとどうなる?
肋間神経痛は突然強い痛みに襲われるため、初期症状はありません。
循環不足から生じる筋肉のコリ感、鈍痛(肩こり、腰痛など)とは違い、肋間神経痛は神経の刺激が原因となるため、突発的な痛みになってしまうと考えられます。
また肋間神経痛は、日常生活での負担の蓄積によって生じるため、適切なケアをしないと痛みが長引いたり再発したりしやすくなっています。
早期発見は可能?
肋間神経痛は予兆がないため、急な痛みによって症状を知ることになります。
痛みが出た際は専門家のチェックで原因を見つけ、早めに治療を開始することが大切です。
予防はできる?予防の基礎知識
肋間神経痛は疲労やストレスが主な原因になるため、入浴やマッサージ、ストレッチなどで予防が可能です。
肋間神経痛の原因、セルフケア方法については下記にて詳しくご紹介していきます。
肋間神経痛の原因は?

適切な対処をするためには、症状が起こるメカニズムを理解しておくことが大切です。
こちらでは、肋間神経痛の考えられる原因を詳しくご紹介していきます。
肋間神経痛の原因
肋間神経痛が引き起こされる原因は「脊柱の疾患」「肋骨の骨折」「帯状疱疹」などが挙げられます。
しかし、医療機関では原因がはっきりと分からないものも多いです。
脊柱の疾患
肋間神経痛を引き起こす疾患としては「胸椎椎間板ヘルニア」「変形性脊椎症」が挙げられます。
脊柱の疾患では体幹の前後屈、捻り、側屈といった動作時に痛みが出やすいです。
胸椎椎間板ヘルニア
胸椎(肋骨が出ている背骨部分)にある椎間板が後方に飛び出すことで、肋間神経を圧迫、刺激したものです。
肋間神経痛だけではなく、足に痛みが出る場合もあります。
変形性脊椎症
脊椎の変性によって肋間神経を圧迫、刺激してしまう場合があります。脊椎が変性する原因としては主に「加齢」が挙げられます。
「女性ホルモンの影響で骨粗鬆症になりやすい」「体幹の筋力が少なく姿勢が崩れやすい」といった点から、女性の方が脊柱の変形が多いです。
その他、脊椎腫瘍によって肋間神経痛が引き起こされるケースもあります。
肋骨の骨折
肋骨の骨折によって、肋間神経を刺激してしまう場合があります。体を動かした際やくしゃみ、深呼吸をした際に胸痛が出やすいです。
肋骨骨折は転倒や事故による強打だけではなく、スポーツ(ゴルフスイング)、肉体労働で疲労骨折を起こすケースもあります。
帯状疱疹
※読み方は「たいじょうほうしん」です
子供の頃、水ぼうそうにかかった方も多いのではないでしょうか?
水ぼうそうの症状はおさまっても体内にはウイルスが潜伏し続けます。免疫力が低下した際にウイルスが活発化し、皮膚や神経が刺激されることで肋間神経痛を引き起こすケースがあります。
帯状疱疹による肋間神経痛は「ピリピリ」「ジクジク」と持続した皮膚表面の痛みが特徴です。(発疹が出る場合もあります)
原因がわからないもの
はっきりとした原因がないものは、筋肉の緊張によって肋間神経が圧迫されているのではないかと考えられています。筋肉が緊張する要因としては、「運動不足」「不良姿勢(猫背)」「運動、肉体労働による疲労」などが挙げられます。
また、栄養の偏り(ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE不足)がある場合も循環が悪くなり、筋緊張につながってしまうといわれています。
間違われやすい病気って?(ティーツェ病?乳がん?)
肋間神経痛と似たような症状がみられる病気に「ティーツェ病」があります。ティーツェ病とは、胸骨(胸の中央にある平たい骨)と肋骨の境目にピンポイントで痛みが出る病気です。
肋軟骨炎と似ていますが、ティーツェ病では患部に腫れがみられる場合があります。
心臓疾患(狭心症、心筋梗塞)や乳がんでも前胸部に痛みを生じるケースがありますが、痛みの箇所はティーツェほど明瞭ではありません。
肋軟骨炎と肋間神経痛はどう違うのですか?
肋軟骨炎と肋間神経痛を見分けるポイントは「痛みの出方」です。肋軟骨炎は胸骨付近にピンポイントで痛みがみられます。
一方の肋間神経痛は、背中から脇腹、胸を中心に、みぞおち、足の付け根まで痛みが広がる場合があります。
どこか一箇所に痛みが出るというわけではありません。(基本的に左右どちらか一方に症状が出ます)
ストレスが原因でしょうか?
ストレスは肋間神経痛を起こす原因の1つです。
人はストレスを感じると交感神経が過剰に興奮し、身体が緊張しやすくなります。またストレスによって免疫力が低下すると、帯状疱疹も起こりやすくなってしまいます。
肋間神経痛を予防するためには、日常でリラックスする時間を作ることが重要です。
治るまでにどれくらいの期間がかかりますか?
個人差はありますが、早い方で数日〜1週間、長い方でも1か月程度で回復するケースが多いです。
しかし、中には慢性化して1年以上痛みが続くこともあります。
病院?整骨院?どこを受診すべき?

肋間神経痛の症状が出た場合、まずは医療機関に行って検査を受けるようにしましょう。
心臓や肺、その他内臓の病気が原因になっていると、処置が遅れることで命の危険もあるためです。
また肋間神経痛は激しい痛みを伴いますので、「痛みがストレスとなり、さらに痛みを感じやすくなる」という悪循環が生まれるおそれもあります。薬やブロック注射、湿布によって早めに痛みを軽減させた方が、症状がスムーズに緩和していくケースが多いです。
クリニックの検査で病気が見つからなければ、痛みを引き起こす原因として「筋緊張」が考えられます。
接骨院や整体にてマッサージ、骨格の矯正を受けることで、症状の改善、予防を期待できます。
※何科を受診するかは症状の出方を目安にすると良いでしょう。
・身体を動かしたら痛い:脊柱の問題が考えられるため「整形外科」
・持続した痛み:帯状疱疹、内臓の問題が考えられるため「内科」