サウナ(Sauna)とは、熱い蒸気を浴びる熱気浴のことを指し、いまや世界中でブームが起こり各国独自の進化を遂げています。
フィンランドは”サウナ発祥の地”や”本場”と言われていますが、はっきりとはわかっていない部分も多いようです。 フィンランド人にとってサウナは日常のライフスタイルやお祝いごと、思想にまでつながる切っても切れないものですが2020年12月17日には、フィンランド式サウナがユネスコ無形文化遺産に指名され登録が決定しました。
当記事では、フィンランドサウナの入り方やマナー、フィンランドサウナと日本のサウナの違いなど、わかりやすく解説していきます。
フィンランドサウナって、何?
フィンランドサウナとは
Saunaとはフィンランド語です。日本でもっとも広く知られているフィンランド語ではないでしょうか。
フィンランドでは、一般家庭にもサウナがあります。そして街中にも公衆サウナ施設がたくさんあります。人口540万人に対し、サウナの数は300万!日本の銭湯に近いカジュアルな感覚ですね。フィンランド式サウナには、サウナストーブとサウナストーンが必ずあります。高温に熱したサウナストーンにアロマ水をかけ、蒸気を発生させてサウナ室の湿度と温度を上げます。
ロウリュウとは
サウナストーンにアロマ水をかけて蒸気を作る行為のことをロウリュ(löyly)と言います。
熱したサウナストーンにアロマオイルを加えた水(アロマ水)をかけてマイナスイオンを豊富に含んだ熱い蒸気を発生させ、室内の温度を一気に上げて体感温度を一気に上昇させて入浴者へ発汗効果を促します。日本では、「ロウリュ」や「ロウリュウ」と呼ばれます。発音としては「ロウリュ」が本場のフィンランド語により近いです。

アウフグースとは
タオルで熱気をゲストに浴びさせることを「アウフグース」といいます。
アウフグースはフィンランドではなくドイツ発祥の方式です。日本では、アウフグースのことをロウリュウと呼んでいるサウナ施設もありますが、正しくはロウリュウ=蒸気を発生させること、アウフグース=タオルで仰ぐ行為ですのでご注意を。

ヴィヒタとは
ヴィヒタ(Vihta)とは、白樺の若葉の枝を束ねたものを指します。
本場フィンランドのサウナには必ず備えられており、ヴィヒタによる白樺の香りはリラックス効果が期待できます。
サウナ内でヴィヒタの葉っぱで全身を叩く「ウィスキング」は、フィンランドで昔からある健康法です。 新陳代謝を促進させ発汗を促し、血流もよくなり疲労物質を排出して疲れが取れます。また、ヴィヒタは減菌効果があるため身体を清潔に保ち傷の治癒を早める効果も期待できます。

フィンランドサウナの歴史
フィンランドの日常にサウナが根付いた理由は、気候が大きく関係しています。
冬が長く寒さが厳しいうえに太陽の恩恵も少ないのが北欧の地の気候です。寒さと肉体労働の疲れを癒すために愛されたのが、熱気や蒸気を浴びるサウナ浴です。
サウナの起源は、2,000年以上前のフィンランドのカレリア地方と言われています。
食材をスモークする部屋がいつのまにか、人々をあたためるサウナ室へ進化していきました。
サウナが世界で注目されるようになったのは、1936年のベルリンオリンピック。
いまから90年近く前です。フィンランド選手団が選手村にサウナ室を持ち込んだことが話題となりました。
サウナに魅了された各国の選手が、自国に持ち帰ったことから広まっていきます。日本では、1964年東京オリンピックで選手村にサウナが設置されてから急速に普及しました。
フィンランドサウナは3種類
スモークサウナ
フィンランドサウナの伝統と言えるのがスモークサウナです。
煙突のないストーブが作られています。ストーブで木材を燃やし、何時間もかけてサウナ全体を温めます。 煙突がないのでサウナ中に煙が充満するため、スモークサウナと言われています。煙でサウナ室の天井や壁は真っ黒になりますが、木材の香りが強く立ち込め、濃い木とスモークの香りが楽しめます。 サウナ室が十分温まったら、煙を逃し入室します。非常に手間もコストもかかるため、フィンランドでも少なくなりました。
日本では、数件体験できる施設があるようです。
木材加熱のサウナ(薪サウナ)
スモークサウナをより効率的にあたためるため登場したのが、煙突付きの木材を加熱して温めるサウナです。
煙を逃す手間がなく排気量を変えられるよう設計すれば、温度調整もできるます。 電気が通しにくい自然の中では、今も使用されています。

電気加熱のサウナ
フィンランドで近年最も主流となっているのが電気加熱式のサウナです。こちらのタイプの魅力はなんといってもスイッチひとつでON/OFF可能、安全性が高いという点です。また、電熱線で温められたストーンを使ってロウリュを楽しめるのも嬉しいポイント。フィンランドのヘルシンキ市内の集合住宅では、多くの家庭がこの電気加熱式を取り入れています。
手間
スモークサウナ
すごく多い
木材加熱のサウナ
多い
電気式サウナ
少ない
温まるまでの時間
スモークサウナ
長い
木材加熱のサウナ
中
電気式サウナ
短い
温度調整
スモークサウナ
低い
木材加熱のサウナ
中
電気式サウナ
高い
木の香り
スモークサウナ
高い
木材加熱のサウナ
中
電気式のサウナ
低い
日本のサウナとの違い
フィンランド人は「ととのう」ために入らない
日本のサウナはテレビがあり明るい施設も多くありますが、フィンランドの公衆サウナは薄暗く静かなスタイルが基本です。
日本ではサウナに入った後の快感を「ととのう」と表現しますが、フィンランドでは「ととのう」を表す言葉はありません。
サウナと水風呂を往復する温冷交互浴こそがサウナだ!と思われがちですが、フィンランド人は必ずこの快感を求めてサウナに入るわけではありません。 水風呂に入らないこともあるし、低温のサウナにじっくり入って終了する日もあります。
また、日本では当たり前の時計もありません。

サウナは時間を忘れてくつろぐための場所であって、時間を決めて入るものではないと考えています。 サウナを出るタイミングはその時の気分や体調、汗の感覚が教えてくれます。
ロウリュウするのが基本
フィンランド式サウナには、サウナストーブとサウンストーン、アロマ水が必ずあります。
ロウリュウした蒸気で、サウナ質の温度と湿度を上げていくため、サウナの設定温度は60-80℃ほどと言われています。 日本のサウナは、80-90℃の高温設定で、ロウリュウはせず乾燥した熱い部屋にじっと座り汗を掻くスタイルが多くあります。
一般家庭にもサウナがある
生活にサウナが根付いているフィンランドは、一般家庭にもサウナがあります。 日本でサウナがある家はごく限られた一部の家庭ですが、フィンランドでは日常です。
家族一緒にサウナを楽しむこともあるようです。
フィンランドの公衆サウナと日本のサウナの違い
━
フィンランド
日本
照明
薄暗い
明るい
テレビ
ない
ある
時計
ない
ある
会話
する
しない
ロウリュウ
する
多くの所が不可
過ごし方
社交場
一人でのんびり
フィンランドサウナの入り方
ロウリュウ(ロウリュ)のマナー
サウナは、「教会のように神聖な場所」と言われています。
そのため、サウナでの自分勝手な行動は絶対NGです。ロウリュウをするときは、「ロウリュウしていいですか?」と周りに確認をしてから行いましょう。
アロマの香りと熱気に包まれるロウリュウは、あのじゅわっという音を聞いているだけで幸せな気分になりますが、温度も湿度も一気に上昇します。
日本でもセルフでロウリュウができる場合は、確認してから行うのがマナーです。
フィンランドサウナの正しい入り方
フィンランドサウナと日本のサウナの大きな違いは水風呂がない点。これはフィンランドが外気が寒いためなのですが、施設によっては湖等に入ることも可能です。
- シャワーを浴びて体をきれいにする
- 裸か水着でサウナ室に入る
- ロウリュ等行いゆったりと過ごす
- 体がじゅうぶんに温まったら外に出て外気浴で休憩する※可能であれば湖などに入ってもOK
- 汗をシャワーで流してサウナ室へ戻る
- 1~5を繰り返し、満足したら思いっきりぼうっとした時間を過ごす
フィンランドサウナに入る際の注意点
フィンランドサウナに入る際には、以下の点に注意しましょう。
注意!
・初心者は具合が悪くなる可能性があるので長時間入らないようにしましょう
・アクセサリーは熱されて怪我をする恐れがあるのでサウナ前に外しましょう
・十分な水分補給を前後ですることを心がけましょう
・公共のサウナでのおしゃべりは声のボリュームに注意し、他の利用者の迷惑にならないようにしましょう
※サウナ施設での会話が気になる方は、サウナマスクがおすすめ
サウナに持って行きたい!おすすめアイテム
ここで、サウナのお供に持って行ってほしいおすすめアイテムのご紹介です。
頭・髪・耳、すっぽり被って熱から守る
「37(サウナ)」リネンサウナハット
サウナハットはのぼせを防いでくれる優れもの。サウナの本場フィンランドやドイツでは定番のサウナグッズです。 「37」リネンサウナハットはその名の通りリネン素材なので、
さらっとしている/軽い/濡れると強度が増す/洗濯に強い/乾きやすい
特徴があります。
洗濯機で丸洗い可能なので、いつでも清潔!
コンパクトに持ち歩いてより安全&快適なサウナライフを楽しみましょう!
これで完璧!
「37(サウナ)」レディースサウナ4点セット
サウナを愛する女性のための4点セット!
本格装備で安全に美しく、プロフェッショナルに、己のサウナを突き詰めていきませんか?
※メンズ3点セット、単品もございます。
サウナのためのガーゼケット
「37(サウナ)」サウナケット(140×100cm)
「37(サウナ)」サウナケットはサウナでの使用を考えて作りました。 薄くて軽く嵩張らないので持ち運びが簡単で、十分な大きさで体全体を覆うことができます。 サウナケットを使用することで急激な体温の変化を押さえます。 緩やかに体の熱を逃がしてしっかりと休むことでサウナの効果を最大限得られます。 肌触りもやさしく眠たくなっちゃうくらい気持ちいガーゼケットです。
まとめ
フィンランドサウナと日本のサウナの違いをお伝えしてきました。
独自の進化を遂げている日本のサウナ文化ですが、自分を見つめ心身を健やかに保つ場所という根本的な感覚はフィンランドと変わりません。
日本も昔から「裸の付き合い」という言葉があり、お風呂やサウナに一緒に入る行為は距離を縮める役目を果たしています。誰でも平等に楽しめるサウナは、フィンランドから伝わった茶室のような場所なのかもしれません。
自分流のサウナを楽しみ方を見つけてみてください。
よりよいお風呂時間を提案するバスリエではサウナーの方々にもより満足いただけるようにするために「サウナ」についての利用実態調査を実施しています。ぜひご協力をお願いします!。