つわりでつらかった妊娠期を経て、そして人生最大の痛みを全身で感じた出産が終わった・・・!
と同時に、ママたちには生まれたての新生児のお世話に奔走する毎日が待ち受けています。 そんなハードな毎日、せめてお風呂に浸かってのんびりしたい…そう思う人も多いことでしょう。
でも、ちょっと待って!
出産後のママは、すぐにお風呂には入れないんです! 基本的に産後のママが入浴を開始してOKなのは1ヵ月経ってから。 では実際ママたちは、産後どのくらいから入浴を開始して、そしてどんなことに困って、どんな工夫をしていたのか? バスリエが行った調査を元に解説していきます。
産後の入浴は1か月経過してから!
Q:産後のシャワーで困ったことは?

産後のシャワー浴での困った!トップは“会陰の傷口の洗い方”。続いて傷口が痛む、と会陰切開が大きく影響しています。
会陰は直視できない部分であるため、自分の傷口が現在どんな状況なのか、縫合が取れてしまっていないか、膿んでいないか、など様々な不安がよぎります。それだけに、痛みはもちろん下手に触って良いものなのかとても悩むところです。
また、シャワーのみだと“十分に温まらない”。
これも会陰の傷口問題とほぼ同じ割合となりました。
Q:出産時期は?
(十分に温まらないと回答した人)
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月単位
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季節単位
この「十分に温まらない」と回答した割合について、季節ごとに見てみると、6~8月の夏場は若干割合が下がっているものの、その他の9月~5月に関しては全て25%以上の割合となっています。
このことから、産後のママさんの殆どは、シャワー浴時の冷えに悩まされているということがわかります。
(会陰のケア方法やシャワー浴での温まり方については、後述しておりますので、合わせてご覧ください。)
Q:産後の入浴で困ったことは?

産後入浴を開始してからの困った点を見ていくと、会陰の傷口に関する割合は若干減ったものの、この時期からは悪露が終わらない・お湯漏れするなどの問題点が出てきます。
産後の細菌感染の不安から、1番風呂に入りたいという人が多くなるかと思いますが、一方で悪露でお湯を汚してしまうので最後に入ったほうが良いのか…
このような悩みを抱える人が増えてくることと思います。
産後の入浴時間は“短くなった”人が7割!
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Q:妊娠中と比べて産後の入浴時間は
どうなりましたか? -
Q:妊娠前と比べて妊娠中の入浴時間は
どうなりましたか?
※妊娠中のお風呂に関するアンケート調査より
「妊娠中のお風呂の実態調査」での調査では、妊娠前から比較して妊娠中のほうが入浴時間が短くなったという人が55%でした。
今回の調査で、妊娠中と比較して産後の入浴時間が短くなったという人は76%もの割合に上りました。
このことから、妊娠中は体調面や動きづらいなどの理由から入浴時間が短くなり、更に産後は体調面・産後の身体の痛みに加え、子育ても加わり、余計に入浴時間が短くなる傾向になることが伺えます。
Q:産後の入浴時間はどのくらいですか?

実際の入浴時間を見てみても、5分以下で済ませる人が37.5%、10分以下で済ます人が40%と、8割近くの人が10分以内という短時間で済ませているということがわかります。
私はこうして乗り越えた!産後入浴の工夫あれこれ
産後の女性のからだは子宮復古の痛みや傷口の痛みやらでボロボロ。さらに赤ちゃんのことも気になりソワソワ。リラックスできるはずの“お風呂時間”ですがなかなかそうもいきません。 そんな産後のお風呂時間、みなさんどのような工夫をしていたのか、聞いてみました。
Q:産後のシャワーや入浴時、工夫していたことは?
とにかく時短が最優先!
- 時短のためショートヘアにした
- 時短可能なスキンケア・ヘアケア用品を使用した
- すぐ乾くよう、吸水性の高いタオルを使った
傷口に優しく!
- オーガニックシャンプーなど、低刺激のものを使った
- 傷口を洗う際にはシャワーの水圧を弱めにした
- 傷口はゴシゴシ洗わず優しく撫で洗いをした、入浴後に清浄綿で拭いた
- 防水の大きな絆創膏を貼っていた(帝王切開)
寒さ対策を徹底!
- シャワーで浴室を温めた
- 脱衣所をヒーター等で温めた
- 肩こり改善のため熱めのシャワーを肩や背中、こめかみ・眉間に当てていた
- 温浴効果の高い入浴剤を使用した
- 首、足首を重点的に温めた
清潔なお風呂に!
- 一番風呂に入るようにした
子どもの様子がわかるように!
- 脱衣所に子どもを寝かせて入浴した
- 様子がわかるよう常にドアを開けていた
- 子どもが泣いたらすぐに駆け付けられるようバスローブを購入した
このように、みなさん様々な工夫をしていたことがわかりました。
次項では、アンケートで寄せられた、産後のお風呂に関する疑問や困った点などについて、回答していきたいと思いますので、こちらも合わせてご覧頂き、参考にしてみてください。
どうすれば良い?産後のシャワー・入浴に関するQ&A
ここからは、産後のお風呂に関するみなさんのギモンについて、回答していきたいと思います。
Q:入浴中に子どもの様子が心配!どうしたら良い?

A:脱衣所に寝かせる、ベビーモニターを導入するなどしましょう。
頼れる人がいる場合には良いのですが、なかなかそうもいきません。 どうしても1人で見るしかない場合には、タオルやバウンサー等を利用して脱衣所で待たせておく、またベビーモニターで常に様子をわかるようにするなどの工夫を行ってください。
Q:シャワーはどのくらいのぺースで浴びるべき?
A:医師からシャワーOKの指示が出てから、毎日浴びるようにしましょう。
産後の身体、とくに会陰や帝王切開の傷口は常に清潔にしておかないと、ばい菌が入り炎症を起こしてしまう恐れがあります。そのため、シャワーは毎日浴び、常に清潔にすることを心がけましょう。
Q:入浴せずとも肩こりが解消できるシャワー浴方法などはない?

A:熱めの湯温&高水圧で首・肩に。
40~42℃の少し高めの湯温で、水圧を高めにして首筋・肩にシャワーを当ててみましょう。 高水圧でマッサージ効果のあるシャワーヘッドなども市販されていますので、そういったものを利用すると効果UPします。
Q:シャワーのみだとなかなか身体が温まりません。
A:足湯がおススメです。
血液が滞りやすい足を集中的に温めることで、全身の血のめぐりが良くなり、冷えを解消することができます。
足湯でしたらリビングでも楽しめるので、赤ちゃんを見ながら安心して楽しめるというのも利点ですね。
シャワー浴の際には足湯を併せて行う、脱衣所・浴室を温めておくなどの工夫をしましょう。(湯船に入らない場合も、湯を張った方が浴室が温まります。服を脱ぐ前にシャワーで湯面を叩くなどしておくと、湯気が立ち温まりやすくなります。)
Q:キレイなお風呂なら1ヵ月以内でも入って大丈夫?

A:NGです。産後1ヵ月からにしましょう。
産後、子宮口が完全に閉じるまでは4週間かかります。場合によってはそれ以上かかるという人も居ますし、その他何らかの問題が生じている可能性も。 キレイな湯だからといって、ご自身の判断だけで入るのは危険です。産後1ヵ月検診というものがありますので、必ずそこで医師のOKが出てから入浴を再開しましょう。
Q:悪露が終わりません。湯船に浸かっても大丈夫?
A:悪露が出ている間はなるべく入浴を避けた方が良いでしょう。
悪露が完全になくなってからの入浴をおすすめします。悪露がいつまでも終わらなかったり量が多すぎるなどの異常がある場合には、必ず医師に相談してください。
Q:産後の基本の入浴法は?(温度・時間など)

A:39℃前後のぬる湯に15分が基本です。
39℃で15分は、通常の場合でもリラックスできるベストな温度&時間です。
通常時はこれより高い温度にしても多少は問題ありませんが、産後弱っている体では貧血や脱水症状を起こす原因となりますので、基本の温度&時間を超えないように気をつけましょう。
Q:必ず1番風呂に入るべき?
A:できれば1番風呂がおすすめです。ただし塩素の刺激に気をつけましょう。
産後は免疫力も低下しているため、1ヵ月経ち医師からOKが出た後も、可能であればしばらくは1番風呂に入りましょう。 悪露の具合や体調など人に拠るため、いつからなら安心なのか、とは明確には言えませんが、心配な場合は産褥期である6週間目までは1番風呂が安心です。 ただし1番風呂は水道水中の塩素が含まれていますので、その刺激が気になる場合には少量の重曹を入れるなどの工夫をすると良いでしょう。
Q:入浴剤は使用してもOK?

A:問題ありませんが、低刺激のものを使用しましょう。
妊娠中~産後はホルモンバランスが妊娠前よりも崩れて、完全に調子が戻っていません。そのため抜け毛や肌荒れなど様々なトラブルが起こりがち。 入浴剤の成分によっては肌トラブルを招いたり、香りで気持ち悪くなることもありますので、無香料・無着色など、低刺激のものを選ぶようにしましょう。
Q:公衆浴場はいつから入れる?
A:基本的には1ヵ月後からOKです。
家庭での入浴同様、産後1ヵ月から可能ですが、産褥期である6~8週目までは悪露が終わらない場合もありますので、この時期を過ぎてからの利用が良いでしょう。 また、産後はホルモンバランスが安定しておらず、様々な体調不良をもたらす恐れがありますので、1人ではなく誰かと一緒に利用すると安心です。
産後のママの身体はとってもデリケート。
シャワーを浴びる・身体を洗う・湯に入る。産後すぐは、これらのことがとっても不安に思えるかもしれませんが、
上記を参考に、少しでも気持ちを楽にして入って頂けたら、と思います。
とっても大変な期間ではありますが、過ぎてみればあっという間で「よく頑張った!」と自分を褒めてあげたい気持ちになりますので、可愛い我が子やご家族と一緒に、大変な時期を乗り越えていってくださいね。
産後のお風呂に関するアンケートは引き続き行っています。是非ご協力をお願い致します!