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水風呂が体や心に良い効果があるって本当?サウナ効果もUP!?正しい入り方と注意点を解説

2019年頃からサウナブームが巻き起こり、若い世代や女性もサウナに熱中する光景を目にするようになりました。以前もサウナブームはあったものの、昨今の盛り上がりはSNSを通じてより大きなものとなっています。

サウナブームが起こる理由のひとつに「ととのう」という体験があります。「ととのう」とは、サウナ・水風呂・外気浴を繰り返すことで得られる身体の深いリラックス状態のことです。ととのい体験のためには、サウナのみならず水風呂も欠かせません。

本記事では、水風呂にはどのような効果があるのか?そして水風呂の正しい入り方や注意点について解説します。

水風呂の効果

水風呂の効果は人によって様々です。ここでは、体への効果と精神的な効果の2つについて見ていきましょう。

体への効果

水風呂の体への効果は、大きく4つ挙げられます。それぞれ、水風呂がどのように効果を発揮するのかチェックしていきましょう。

疲労回復

水風呂には疲労回復効果があります。
サウナやお風呂、温泉などで体を温めた後に水風呂に入ることがポイントです。なぜなら、体への温冷刺激を繰り返すことで血管を伸び縮みさせ、血行が良くなるからです。血液は酸素と栄養を体中に届け、老廃物や二酸化炭素を運ぶ役割をしています。血行が良くなれば、血液の働きもスムーズになるため、体に酸素と栄養素がしっかりと運ばれるのです。これにより、体の細胞が元気に動き、疲労回復スピードも速くなります。

実際に、温冷の混合浴を繰り返すことで筋肉疲労の血中乳酸値が低くなったという研究結果(※1)もあります。冷たい水で先に血管を収縮させることで、温かい湯船に浸かった時に血管がより拡張されるのです。結果、温浴だけの場合と比べて、温冷浴は血管内の血液の量が増えて乳酸値も下がります。

冷え性改善

水風呂には冷え性改善効果もあります。水風呂に浸かるだけではなく、サウナやお風呂で体を温めることが必須です。
先に述べた通り、温冷浴を交互におこなうと、血管収縮・拡張が促されます。それにより血行促進に繋がるため、体の末端まで血液が行きわたるようになるのです。
とくに冷え性の体は、手先や足先の毛細血管にまで血液が届かなくなっています。血液が届かない血管は、使われていないと判断されて機能が低下していきます。そのため、どんどん身体が冷えやすくなっていくのです。
普段のサウナやお風呂、温泉などに水風呂を組み合わせると、身体の隅々まで血液が送られ、全身の血管をくまなく使えるので冷え性改善に役立ちます。水風呂を用意できない時は水シャワーだけでも効果があります。

自律神経が整う

水風呂は自律神経を整える効果もあります。
自律神経とは、全身のバランスを整えている神経です。まばたきをしたり、寝ている間に内臓が動いたり、汗をかいたりするのは自律神経の働きです。自律神経には、交感神経と副交感神経の2つの神経が働いています。交感神経は、戦闘モードの時に優位になる神経です。おもに血管を収縮させて体を冷やす機能があります。副交感神経は、リラックスモードの時に活発になる神経です。おもに血管を広げて血流を促す作用があります。

健康のためには、この2種類の神経をバランスよく働かせることが大切です。

自律神経は、脳の視床下部から指令を受けて働きます。そのため、視床下部が正しく働かなければ自律神経も乱れやすくなるのです。視床下部はストレスに弱く、ストレス環境にいると自律神経が乱れやすくなります。自律神経を整えるためには、心身ともにリラックスしている状態をつくることが大切です。
水風呂は、体をリラックス状態に導きます。サウナやお風呂、温泉でしっかり温まったのちに水風呂に浸かり、深いリラックス状態をつくることで、ストレスを受けた視床下部も回復していきます。
(程よいリラックスを得るためには、水風呂に浸かりすぎないことも重要です。)

ホルモンバランスが整う

水風呂にはホルモンバランスを整える効果もあります。とくに女性ホルモンのバランスを整えるのに効果を発揮します。ポイントは先にも述べた視床下部です。
そもそも女性ホルモンは、視床下部から指令が出され、脳下垂体、血中を経由して卵巣で分泌されます。そのため、視床下部が乱れると女性ホルモン分泌も乱れやすくなります。

視床下部はストレス反応の中枢を担っている箇所でもあるため、とくにストレスに弱い場所です。女性ホルモンバランスを整えるためにできることは他にも多くありますが、ストレスを溜めず、リラックスすることが何よりも大切です。
温冷を繰り返す入浴は非常にリラックス効果が高いため、日ごろからストレスを溜めやすい人は水風呂を含めた入浴・サウナをおすすめします。

精神的な効果

ここからは、水風呂がもたらすメンタル面の効果についても見ていきましょう。

深いリラックス効果

サウナやお風呂、温泉の後の水風呂によって深いリラックス効果を得られる理由は、ホルモンにあります。
サウナのように通常の外気温よりも高い温度の中に一定時間いると、体内で「アドレナリン」が分泌されます。アドレナリンは、体が危険にさらされた時に分泌されるホルモン物質です。また、体が興奮状態になった時に分泌される「ノルアドレナリン」も血中を巡ります。

体が興奮している状態から水風呂に入り、ひと休みすることで「交感神経スイッチ→副交感神経スイッチ」に切り替わります。しかし、血中では未だ交感神経と関わりのあるアドレナリンとノルアドレナリンのホルモンが巡っている状態です。
つまり、体は副交感神経が優位になってリラックス状態にあるものの、ホルモンの影響で頭は冴えている心地よさを感じられます。これがサウナ後の水風呂で得られる深いリラックス効果です。サウナ好きの間では「ととのう」とも呼ばれています。

多幸感を感じる

水風呂によって多幸感を感じる効果もあります。こちらもサウナやお風呂などで先に体を温めることが必須です。水風呂と多幸感の関係は、「エンドルフィン」の分泌にあります。
先に述べた通り、サウナに入ると急激に体が熱くなるため、アドレナリンとノルアドレナリンが分泌されます。そして、温冷を交互に繰り返すことで分泌されるのがエンドルフィンです。
エンドルフィンとは、心地よさや幸福感をもたらす脳内ホルモンです。心肺機能を鍛えるエクササイズをしたり、笑ったりときめいたりした時に分泌されます。サウナ・お風呂と水風呂を繰り返して得られる心地よさには、多幸感を感じるエンドルフィンの分泌が関係しているのです。

睡眠の質がアップ

水風呂は睡眠の質をアップさせる効果もあります。
水風呂によって睡眠の質が上がる理由は、寝る時に深部体温が下がりやすくなるからです。そもそも睡眠の質を上げるためには、深部体温をある程度まで下げる必要があります。深部体温が下がることで、体は休みモードに入ります。

深部体温を下げるためには、まず先に血流を促して手先・足先まで血液を巡らせる必要があります。効率的に血行を促すのに役立つのが温冷刺激です。

サウナやお風呂で体を温めてから水風呂に浸かると、体の末端まで血液が行きわたります。また、温冷刺激は心拍数を上げるので体が程よい疲労を感じ、眠りやすくなる効果もあります。

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正しい入り方と注意点

水風呂の正しい入り方

実際に水風呂に入るにあたって具体的な入り方について見ていきましょう。

水風呂は体調や持病によって控えた方がいい場合もあります。
また、家ではなく銭湯や温泉施設で水風呂に入る時は、マナーを守る必要があります。ここからは水風呂の入り方やリスク、入る時のマナーについて解説します。

サウナ→水風呂の場合

サウナの後に水風呂に入る場合、体温が急激に変化するため無理をしないことが重要です。以下のような入り方をおすすめします。

  1. サウナから出たら水分補給をする
  2. 深呼吸しながら水風呂にゆっくり浸かる
  3. 1分以内に水風呂からあがる。慣れないうちは30秒くらいにとどめる

お風呂→水風呂の場合

お風呂や温泉の後に水風呂に入る場合、心臓の負担がかかりやすいので注意が必要です。
なぜなら温かいお風呂は体に水圧をかけるので、温度と水圧で血の巡りがかなり良くなります。その分、心臓も激しく動くため負担が大きくなるのです。また、湯舟はサウナと比べて比較的長い時間入れるため、のぼせやすくもなります。

以下のような入り方を意識しましょう。

  1. お風呂から出たら軽く水分補給をする
  2. 先に体に水をかけて水温に慣らす
  3. 深呼吸しつつ足先・手先から水風呂に浸かる
  4. 水風呂から出たらひと休みする

水風呂にはリクスも!マナーと注意点

水風呂は人間の体温よりもはるかに低い温度なので体へのリスクもあります。
また、水風呂に入る時のマナーを抑えておくことも重要です。

水風呂の注意点

サウナやお風呂後の水風呂は、血行促進の効果が高いものの、同時に心臓への負担もかかります。なぜなら体内の血液循環スピードが上がると、心臓が体に送るための血液も多く・速くなるからです。心臓が通常時よりも活発に働くため、負荷がかかります。
また、筋肉や血管の拡張と収縮がいっきにおこなわれるため、血圧が急に高くなり最悪の場合は心筋梗塞などの症状を招く可能性もあります。

以下のポイントに気を付けて水風呂に入りましょう。

  • 水風呂に入る時は手足から少しずつ入る
  • 無理して全身浸からない
  • 水風呂に入る前に水分を摂る
  • 呼吸を止めずに水に浸かる
  • 頭まで水風呂に浸からない
  • 長時間浸からない(長くても1分以内に抑える)

もともと心臓が弱い人や不整脈のなどの症状がある人、体調がすぐれない時は水風呂は控えましょう。

水風呂のマナー

銭湯や温泉施設、プールなどの公共施設で水風呂を利用するときは、以下のようなマナーを守りましょう。

  • サウナやお風呂のあとは必ず汗を流してから入る
  • 水風呂に飛び込まないようにする
  • 水風呂から再びサウナに戻る時は水を拭いてから入る

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何℃がいいの?

水風呂の温度によっても体感や効果が変わります。
必ずしも水の温度が低いからといって体に良いわけではありません。水温が低すぎで逆効果になることもあります。

ここでは、3種類の温度帯に分けて解説していきます。自分に合う水温を見極めましょう。

10℃以下

肌に鋭い刺激がある温度です。10度以下の水風呂に長時間浸かることは危険です。とくに7~8度を下回ると体感温度がかなり低くなり、10秒ほどでも限界が来ます。サウナでしっかりと体を温めた後に入るとかなり深いリラックス状態を得られます。慣れない状態で0度に近い水風呂に入ることは控えましょう。

15℃前後

ひんやりと冷たさを感じる温度です。大きい水風呂や湖などであれば軽く泳ぐ余裕もあるような温度です。サウナ後の火照った体には丁度いい水温でもあります。自宅でもお風呂で温まったあとに15度くらいのシャワーを浴びると血流促進効果があります。

20℃以上

心地よいまろやかな冷たさを感じる温度です。体への負担が少ないので比較的、安心して水風呂に浸かることができます。初心者や体が冷えやすい方におすすめです。一方で熱めのサウナの後や、水風呂やサウナに慣れている方にはやや物足りない水温です。

水風呂を控えたほうがいい人

水風呂はメリットだけでなくデメリットもあります。ここからは、注意すべき症状や場合について解説します。こちらで取り上げていなくても危険な場合があるので、心配な方は必ずかかりつけ医に相談してください。

高血圧の方

高血圧の症状がある場合は水風呂は避けましょう。水風呂に入ると血管が収縮します。とくにサウナやお風呂で血管が拡張した状態からいきなり水風呂に入ると危険です。
水風呂に入ると、血管の急激な伸び縮みとともに血圧もいっきに上下します。それにより脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる症状を引き起こす可能性があるので、高血圧の方は水風呂に入らず、ぬるめのお湯やシャワーなどで済ませましょう。サウナやお風呂もほどほどの時間にとどめておくことをおすすめします。

妊娠中の女性

妊娠中の場合も水風呂は避けたほうが賢明です。なぜなら血圧の上昇を招いて妊娠高血圧を引き起こす可能性があるからです。
通常、妊娠している間は血圧は下がります。しかし肥満や糖尿病などによって急に高血圧になってしまうケースがあります。水風呂なども、このようなリスクを招きかねないので、避けておいた方が安心です。サウナやお風呂なども長時間入らないように気をつけましょう。

飲酒後

お酒を飲んだ後の水風呂は控えましょう。飲酒直後は一定時間のみ血圧が下がります。血圧が下がっている状態から水風呂に入ると血管が収縮して血圧上昇を招きます。血圧の乱高下によって脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすのです。また飲酒後は、意識がもうろうとしやすくなるため、気分が悪くなった時に転倒や溺死の恐れもあります。さらに、二日酔いの状態での水風呂も避けましょう。

食事の直後

食後の水風呂もおすすめできません。なぜなら、食後は消化のために血液が胃腸に集中している状態だからです。
食後にお風呂やサウナで体を温め、水風呂に浸かると、消化のために使うはずの血液が体中に渡ってしまいます。結果的に消化がうまくおこなわれず、胃もたれや消化不良などで気持ちが悪くなってしまいます。食後1~2時間以上あけてから入るようにしましょう。

水風呂で寿命が延びるって本当?

水風呂で寿命が伸びる絶対的な保証はないものの、メタボリックシンドロームの改善や、うつ病やストレスホルモンを低下させるなどの効果があります。さらに非リンパ系ガンの生存率を低下させる可能性があるという研究(※2)があります。

しかしあくまでも仮説ベースであり、確実性があるわけではありません。

サウナと水風呂に交互に入り血流を促すことによって、健康体をキープしやすくなります。その結果として寿命が延びる可能性も考えられます。持病をお持ちの方は医師に相談し、体調が悪い時は水風呂を控えるようにしてください。

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まとめ

水風呂の効果や正しい入り方、注意点などについて解説しました。
水風呂はサウナやお風呂、温泉などと組み合わせることで心身ともにリラックス効果を得られます。
一方で心臓に負荷がかかりやすいため、高血圧や妊娠中の方などはサウナや水風呂を控えましょう。

正しく水風呂を利用すれば、血行が良くなり冷え性改善にもつながります。お家や銭湯などで積極的に水風呂を使い、健やかな体づくりを目指しましょう。

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