「国民病」とも称される肩こり。
バスリエが行った調査結果では、約83%以上の人が肩こりに悩んでいることが分かっています。
そんな肩こりの症状を解消する方法のひとつとして注目されているのが「お風呂」。
湯船にしっかりと浸かって身体を温めることで、血行促進などのあらゆる効果で肩こりの症状を解消してくれるお風呂ですが、実際にお風呂に浸かっても肩こりの症状が解消されない方も多くいます。
理由は明白。実は多くの人が肩こりを解消させる入浴方法を知らない、もしくは間違った知識を持ってしまっているためです。
本コンテンツでは、そんな肩こりに悩んでいる人のために、肩こりの症状解消に効果的なお風呂の入り方を解説していきます。
現在肩こりでお悩みの方はもちろん、首こり・頭痛・片頭痛・冷え性・生理痛などにお悩みの方にもお役立て頂ける情報となっています。是非ご覧ください。
中村匠
現在接骨院を経営。業界歴は15年以上になります。
医療機関によるメディカルフィットネス・大型フィットネスジムでのトレーナー経験もあります。
多くの方の不調改善のために日々施術を行いながら、正しい健康情報発信のため、ライターとしても活動しています。
肩こりの原因
実は肩こりになってしまう特定の原因というものは明らかにはなっていません。
しかし、肩こりになってしまう原因として考えられるものはいくつかあり、その代表的な原因が以下の3つです。
姿勢
パソコン・スマートフォンの普及により「背中を丸め、首を前に倒す」という特有の姿勢を取る機会が格段に増えています。
この特有な姿勢は主に「僧帽筋」という首~背中にかけて付着している大きな筋肉に過度なストレスを与えてしまうことになり、ストレスを受けた筋肉は血流が悪く、硬くなることで肩こりの症状を引き起こしてしまいます。
また、脚を組んで座る・頬杖をついて座るなどの一般的に言われている不良姿勢も身体のバランスを崩してしまうため、結果的に肩こり・首こり・頭痛・腰痛などの様々な不調へと繋がってしまいます。
目の疲れ
パソコン・スマートフォンは姿勢の崩れだけではなく「目の疲労」を引き起こしてしまう原因にもなります。
目の疲労を引き起こしてしまうと、目の周りの筋肉や神経に過度なストレスを与えてしまい、頭痛などの症状がでることあり首や肩の筋肉が緊張状態に陥ってしまうため、肩こりをはじめとした様々な不調を引き起こしてしまいます。
緊張、ストレス
緊張やストレスで肩こりなってしまう理由は主にふたつ。
ひとつめは、緊張やストレスによって「筋肉の緊張」がでてしまうこと。
人は緊張やストレスを感じてしまうと自律神経の交感神経が優位に働いてしまいます。交感神経が優位に働いている状態はいわば戦闘モード。
脈拍はあがり、筋肉は収縮し、興奮状態で体力を消耗しやすい状態です。
この状態が続くことで筋肉は緊張状態を持続せざるを得ない状態になってしまい、痛み物質や疲労物質を出してしまうことで肩こりや首こりのような症状が出てしまうことがあります。
ふたつめは「疲労回復ができない」ということ。
緊張やストレスを感じてしまうと、先ほどもご説明したように交感神経が優位になり、興奮状態が続いてしまいます。興奮状態が続いたまま、1日を過ごしてしまうことで、身体は休まることなく働き続けてしまい徐々に疲労が蓄積されていくのです。
本来、人は睡眠をとったり休息をとったりする際には副交感神経というリラックス神経が優位になります。副交感神経は交感神経とは反対で、脈拍を落ち着かせ、筋肉を緩ませ、血管を広げてくれる役割があります。副交感神経が優位になってはじめて効率の良い睡眠や休息をとることができるのです。
しかし、緊張やストレスを過度に感じてしまうと、睡眠や休息をとるさいに副交感神経が優位になってくれず常に交感神経が優位になってしまうことがあります。この交感神経と副交感神経がうまく切り替えられず身体に様々な不調が出てしまう病気で「自律神経失調症」というものがありますが、自律神経失調症でも肩こりは代表的な症状のひとつです。
肩こりの原因別・お風呂の入り方
肩こりの原因が分かれば、今度はその原因に対しての改善方法を考えていきましょう。
実は、この改善方法は殆どがお風呂の中でできること。正しくお風呂に入って、辛い肩こりの症状を解消していきましょう!
基本の入り方
原因別のお風呂での改善方法をご紹介する前に基本的なお風呂の入り方をご紹介します。
湯温:約40℃
入浴時間:約15分
肩まで浸かる全身浴
まずはこの3つが基本的なお風呂の入り方となります。
お風呂好きの人からすると「物足りない」と感じるお風呂の入り方だと感じるかもしれませんが、身体に負担を掛けない健康的なお風呂の入り方は上記のような入り方になります。
逆にお風呂が好きで、よく湯船に浸かっているけど一向に肩こりの症状が改善されない人は、湯温が高すぎたり・入浴時間が長すぎたりすることで返って身体に負担を掛け過ぎている可能性が考えられます。
もし、肩こりを解消させることを優先的にお考えであれば一度基本の入り方をお試しください。
それでは今度は、肩こりの原因別にお風呂での肩こりの症状解消方法を解説していきます。
姿勢→湯船でストレッチ
お風呂の中では、筋肉の温度高くなり柔軟性が向上している状態のため軽いストレッチをしてあげることがおすすめ。
まずは以下のパターンのストレッチをお試し下さい。
首のストレッチ
- ゆっくりと大きく首を回します。
- 左右回しを交互に繰り返し、これを3セット行います。
ポイントはゆっくりと回すこと。ひとつひとつの動きを確認しながら、「あっ。このあたりで少し痛い。詰まる感じがする」など自分の動きを把握しながら行うことで継続して行った時の効果を感じやすくなります。
肩甲骨のストレッチ
- 万歳のポーズをとります。
- 肘を曲げながら手をおろし肩甲骨を寄せていきます。
- この動きを10回行います。
ポイントは肩甲骨を寄せることを意識すること。現代ではパソコンやスマートフォンの普及により前かがみの姿勢が増えていることで肩甲骨を寄せるという機会が減っています。肩甲骨をしっかりと寄せてあげることに注意して行うことで効果が期待できます。
※注意※
お風呂の中でのストレッチは無理のない範囲で、優しいストレッチを行うようにしてください。ストレッチを頑張り過ぎて過度に体力を消耗してしまっては元も子もありません。基本のお風呂の入り方同様で「物足りない」程度のストレッチが肩こりの症状解消には効果的だとお考えください。
またお風呂の中で首や肩をセルフマッサージを行う方もいらっしゃいますがマッサージは自分で行うとどうしても強度が強くなりやすく返って筋肉を傷つけてしまう原因になる場合もあります。もしセルフマッサージをされるのであれば「かなり物足りない」と感じる強度で行うようにしましょう。結果的にはその程度の強さが筋肉にとっては適度な強さとなることを覚えておきましょう。
目の疲れ→蒸しタオル
目の疲れを取るにもお風呂は絶好の場所です。
まずはタオルを1枚準備してください。
お湯につけて、よく絞ったタオルを目の上に乗せます。しばらくしたら今度はタオルを水につけてよく絞り目の上に乗せましょう。
温かいのと冷たいのをくり返すことにより目がスッキリし視界がクリアになります。
緊張、ストレス→ぬるめのお湯でリラックス
緊張・ストレス状態の人もお風呂でしっかりとリラックスすることにより、上手く副交感神経が優位に働いてくれることで効率的な疲労回復が期待できます。
おすすめの湯温は38~39℃。少しぬるいかな?と思う湯温で大丈夫です。
入浴時間はおおよそ20分程度。通常よりも少しだけ長めの入浴をしてリラックスできる時間を確保しましょう。
浴室内を暗くして、キャンドルやアロマを焚いてあげるとリラックスしやすい雰囲気がでるためおすすめです。
銭湯や温泉でできる、肩こり解消入浴法
ご自宅のお風呂のほかにも銭湯や温泉に入ることが習慣の方は以下のような入浴方法をお試しください。
打たせ湯
打たせ湯を首や肩にあてることで水圧の適度な刺激により、リラクゼーション効果&血流促進効果を得ることができます。
肩たたきのような硬い素材で首肩を過度に叩いてしまうと肩こりの症状解消には刺激が強すぎて逆効果になってしまうことも。
その点打たせ湯は水の力で首肩に刺激を与えてくれるため、適度に刺激を放散させてくれます。そのため身体に負担を掛け過ぎず肩こりの症状解消に繋がるというわけです。
ただし長時間打たせ湯に入ることは避けましょう。目安としては3~5分程度がおすすめです。
寝転び湯
寝転び湯で仰向けの状態になることで、心身ともにリフレッシュできます。
多くの寝転び湯では予め湯温が37~38℃前後の少しぬるいと感じる温度に設定されていることが多いため、入浴時間も20~30分程度とゆっくりと入ることをおすすめします。ただし、入浴時間を予め設定している銭湯や温泉もあるため施設のルールをよく確認して入浴をしましょう。
お風呂上がりcheck!
おお風呂上りは以下のようなチェックを毎回行うようにしましょう。
定期的にチェックを行うことで、肩こりの症状がきちんと解消できているかの確認ができるほかにも、その日の体調や調子をしっかりと把握できます。
- 首の回しやすさはどうですか?
- 目の重さ・視界のクリアさに変化はありますか?
- 肩・首のこり、だるさはどうですか?
お風呂あがりは想像以上に体力を消耗しています。
しっかりと水分補強をしたのちに、一息ついてからセルフチェックを行うようにしましょう。
肩こりにおすすめの入浴剤!
入浴剤を使用することでも肩こりの症状を改善させる効果が期待できます。中でもおすすめの入浴剤は「炭酸系」と「水素系」です。
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入浴剤を入れて温浴効果を高めよう!
バスリエでは、肩こりに関するアンケート調査を行っています。1分程度の簡単なアンケートですので、是非ご協力をお願いします!