約3人に1人が該当し国民病とも言われている高血圧。
今後更なる増加も見込まれている高血圧ですが皆さんの血圧はいかがでしょうか?
現時点で病院で高血圧と言われている人や、既に降圧剤のような血圧を下げるお薬を飲まれている人、今は血圧に関しては問題はないけど将来が不安な人など様々な人がこの記事をご覧頂いていることでしょう。
今回はそんな国民病とも言われている高血圧と、多くの方がリフレッシュの時間として大切にしているお風呂の関係性について、バスリエが行った調査を元にお伝えしていきます。
Contents
高血圧ってどんな病気?基準値&原因は?
Q:お風呂は好きですか?
血圧高め

血圧標準

血圧低め

お風呂は日本人のひとなら大抵の人が“好き”と答えるでしょう。
好き、とまでは言わずとも“キライ”という人は少ないはず。 それは血圧が高かろうが低かろうが関係なし!
今回の調査では高血圧の人のほうが標準・低めの方よりも好きという割合が10%ほども高いという結果になりました。 しかし高血圧の人にとって、お風呂は入り方によっては危険を伴ってしまうもの。
では、血圧高の人の入浴は何が危険なのか、またどのような入り方なら良いのか、そもそも高血圧とはどんな状態なのかなど、調査結果と合わせて順を追って解説していきます。
高血圧ってどんな病気?
病院などの医療機関で血圧を計測したさいに、収縮期血圧140mmhg・拡張期血圧が90mmhg以上を基準に高血圧と判断されています。
ご家庭で血圧を測定する場合は収縮期血圧135mmhg・拡張期血圧85mmhg以上と病院などで計る血圧よりもやや低めの基準が設定されています。 これは病院などの診察室で血圧を計ると緊張で血圧が高くなってしまうことも見越して予め病院での基準を高めに設定しているためです。
血圧とは、血液が血管の中を通るさいの血管の内側に掛かる圧力のことで、この圧力が大きく強く掛かり過ぎてしまうと血管の内側が傷ついてボロボロになってしまいます。 そして、皆さんも聞き馴染みのある「動脈硬化」「心筋梗塞」「脳卒中」などの恐ろしい合併症に掛かってしまうリスクが高血圧の方は高くなってしまうことが分かっています。
つまり高血圧自体が大きな病気というわけではなく、高血圧になってしまうことで様々な合併症になってしまうリスクが高くなることが問題というわけです。
高血圧の基準値は?
分類 | 診察室血圧 | 家庭血圧 |
正常血圧 | <120かつ<80 | <115かつ<75 |
正常高値血圧 | 120~129かつ<80 | 115~124かつ<75 |
高値血圧 | 130~139かつ/または80~89 | 125~134かつ/または75~84 |
Ⅰ度高血圧 | 140~159かつ/または90~99 | 135~144かつ/または85~89 |
Ⅱ度高血圧 | 160~179かつ/または100~109 | 145~159かつ/または90~99 |
Ⅲ度高血圧 | ≧180かつ/または≧110 | ≧160かつ/または≧110 |
引用元: 高血圧 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
一般的に高血圧と分類されるのはⅠ度高血圧以上の方になりますが、高値血圧の方においても十分に注意が必要です。まずは高血圧の原因を知り、十分な対策を取ることで病気の予防をする必要があります。
高血圧の原因は?
高血圧の原因には腎臓・副腎や甲状腺などの病気によって二次的に高血圧になってしまう二次的高血圧がありますが、国民の大半の高血圧は二次的高血圧ではなく「本態性高血圧」と呼ばれるものです。態性高血圧の原因は様々で以下のような要因が考えられます。
- 食塩の取り過ぎ
- 肥満
- 運動不足
- ストレス
- 遺伝性
上記の他にも慢性的な疲れや、睡眠不足や栄養バンスの乱れなど生活習慣が主な原因で高血圧になってしまう人も多いです。また特に高血圧の原因として強く呼びかけられているのが「食塩の取り過ぎ」で、みそ汁や漬物など比較的塩分が多めの日本食の塩分の多さが問題となっています。
高血圧だけじゃない?起こりうる事故について&その予防対策を知りたい!
寒い日などは全身を温めてくれて気持ちをリラックスさせてくれるお風呂ですが、高血圧の人は少し注意して入浴をしなければ不幸な入浴事故に繋がってしまうケースもあります。
実は入浴事故の多くは「心筋梗塞」「脳卒中」と呼ばれるもので、急激な温度変化などにより血圧が急上昇してしまうことで起こってしまいます。
最近では寒い日のお風呂と脱衣所の温度差でご高齢の方が動悸や息切れなどの症状から心筋梗塞や脳卒中を起こしてしまい命を落としてしまう事故なども発生しています。ヒートショックとも呼ばれ高血圧の人などは特に注意をした方が良いと言われています。

入浴を控えた方が良い境目は?
一般的には入浴する前の血圧が収縮期血圧160mmHg・拡張期血圧100mmHgを越える場合は入浴事故のリスクが高くなりやすいと言われているため注意が必要です。
また、普段の自分自身の血圧よりも数値が高い場合で何となく身体の調子が思わしくない時などの入浴も控えた方が良いでしょう。いずれにせよ自分自身の体調をしっかりと把握し、予防することが大切です。
正しい入り方
ここからは、安心安全にお風呂を他のしむための、正しい入浴法を解説していきます。まず、みなさんが何度くらいの湯温設定で、どのくらいの時間入浴しているのか、そして何に注意して入浴しているのかを見てみます。
Q:湯温はどのくらいですか?
全体

血圧高め

血圧標準

血圧低め

設定温度を見てみると、血圧の高い低いにかかわらず、約7割前後の人が適温(39~41℃)に設定しているとの回答でした。 ただ気になるのは、血圧が高め・低めの人に関しては2割以上もの人が熱め(42℃)の設定にしている点です。
Q:湯に浸かる時間はどのくらいですか?
全体

血圧高め

血圧標準

血圧低め

入浴時間に関しては、これも血圧が高い低いに関わらず10分以下という人が6割前後という結果になり、30分よりも長い時間浸かるという人はかなり少数派、1時間以上という人は殆ど見られませんでした。
入浴時間は10分~20分程度が適度な時間とされますので、こちらに関しては多くのかたが問題ないように思えます。 ただ、温度に関しては10分~20分程度の入浴の場合は少しぬるい程度が適温とされますので、特に身体に何らかの不安のる方は38℃前後の湯温で10分~20分程度、というのが理想の入り方となります。
また、高血圧の人にとっては、長時間の入浴は危険を伴ってしまいますので、その点十分に留意して入浴することをお勧めします。
Q:入浴時どのようなことに気を付けていますか?

その他
- 入浴前後の飲酒
- 食事を取っ手から入浴する(空腹時に入浴しない)
- 室内外の温度に気を付ける
水分補給に関しては多くの方が気を付けているということがわかります。 また、2番目に割合の多い”掛け湯”も、体を温かい湯に慣れさせるために、安全のためには非常に有効です。 一方半身浴にする、ぬるま湯にする、という割合は非常に少ない結果となりました。 半身浴にすると、全身浴よりも体への負荷が少なくなり、こちらも人によっては非常に有効な対策となりますので、全身浴が少し息苦しいなど感じる場合には、是非試して頂ければと思います。
以下に、より安全して入浴するための詳しい手順を記載しておりますので、参考にご覧頂けたらと思います。
1.事前に体調をチェックする
お風呂に入る前には事前にご自身の体調をセルフチェックすることが大切です。
・体温
・血圧/脈拍
・倦怠感や身体に痛みなどはないか?
体温や脈拍などは人により数値に差があるため日頃の体温や脈拍を把握しておく必要があります。いつもより数値が高く体調が何となく思わしくない場合などは入浴を控えた方が良いでしょう。
血圧は先述したように収縮期血圧160mmHg・拡張期血圧100mmHg以上の場合は入浴事故のリスクが高まるため入浴を控えることをおすすめします。
2.脱衣所と浴室の温度差をなくす
特に冬場は温かい浴室と寒い脱衣所の室温差をなくす必要があります。
暖房器具などで脱衣所を温めることが難しい場合は一定時間浴室のドアを開けることで脱衣所の室温をあげることが出来ます。また寒い脱衣所から浴槽に浸かるさいは一度かけ湯をして身体を馴染ませてから浴槽に浸かることをおすすめします。

3.半身浴でゆっくり温まる
ご自身のみぞおち付近までの湯量に浸かる半身浴で入浴することで心臓付近への水圧が掛かることがなく安全です。
女性やダイエットをしている方には馴染みのある半身浴ですが、ゆっくりと湯船に浸かることで温かい血液が全身を巡り身体の芯までポカポカと温めてくれリラックス効果もあり、高血圧の方や男性や高齢の方にもおすすめの入浴方法です。
4.水分補給をする
入浴中は思っている以上に体力を使い身体の水分を奪われてしまい脱水状態になってしまいます。入浴前にはコップ1杯程度の水分を補給して、入浴後にもしっかりと水分補給をしましょう。
5.湯温を37~40℃にする
寒い日こそ熱いお湯に入りたくなる気持ちは分かりますが、湯温は37~40℃付近が望ましいです。
逆に41℃以上の湯温は身体に急激な負担を掛けてしまう可能性があるためおすすめ出来ません。感覚的には「もう少し温かくても良いかな?」という程度の湯温でゆっくりと浸かることが望ましいです。

なお、ここまで高血圧の方のための注意点を中心に解説してきまいたが、今回バスリエが行った調査によると、高血圧でない場合にも入り方に拠っては危険を生じてしまうことがわかりました。
高血圧でなくても油断は禁物!
ここでは、実際に皆さんが経験したお風呂で起こった症状を見ていきます。
Q:入浴時にどのような症状が出ましたか?
血圧高め

血圧標準

血圧低め

入浴時に起こった症状としては、血圧別に見てみると、血圧が標準の人に比べて、高め・低めの人は“特に何もない”という割合が低めでしたが、 さほど大きな差は見られず、血圧が標準の人でも、高め・低めの人同様、入り方によっては何等か危険に遭遇してしまう可能性があることがわかります。
Q:いつ頃起きましたか?
※症状が起きていないという回答を除く

お風呂での危険症状が起きた時期については、イメージとしては、寒暖差の起こりやすい冬が多いイメージがありますが、1位は8月の真夏という結果に。
2位以降は、やはり寒い時期の12月、1月、2月という結果となりました。 冬場は寒暖差で起きるヒートショックというものが有名ですが、夏場の浴室は非常に高温になるため、脱水症状や熱中症が起こりやすくなります。 それぞれの時期によって注意点がありますので、どの時期も同じ入り方、ということではなく季節や体調に合わせた入り方というのが重要になってきます。 1年じゅう毎日毎日、通り一辺倒の入り方をするのではなく、是非時期や体調・その日の天気に合わせた入り方というのを、実践してみてくださいね。
普段から気を付けよう!食事や運動で高血圧の予防・改善を!
Q:入浴時以外で気を付けていることは何ですか?

特になし、という回答を除くと、トップは食事内容。そして運動・睡眠と続いています。やはり高血圧というと、塩分の多い食事を控えることが重要というイメージがあります。 では、実際どのような食事にすれば良いのか、またそれ以外では何に気を付ければ良いのかを、解説していきます。
高血圧におすすめの食べ物・飲み物
塩分の取り過ぎが高血圧の原因になってしまうことは多くの方がご存じでしょう。 しかし、実際にどのような食事に食塩が多く含まれているか?どのような食事が高血圧には良いのかなどの詳細をご存じの方は少ないはずです。
まずは高血圧になりやすい、血圧を上げてしまう食べ物をご紹介します。
1.血圧を上げてしまう食べ物・飲み物
- インスタントラーメン
- みそ汁
- ソーセージなどの加工食品
- 脂質の多い肉
- ジュースやお酒

当然のことながら塩分や糖質・脂質が過剰に入っている食品は高血圧を引き起こしてしまうリスクが高いです。なんとなく身体に悪そうだなと思う食品は大半が血圧を上げてしまうリスクの高い食品ということになります。特に現時点で高血圧の人はこれらの食事は控えた方が良いでしょう。
2.血圧を下げてくれる食べ物・飲み物
- 野菜、海藻類(わかめ・きのこなど)
- 青魚(サバなど)
- 果物(グレープフルーツ・プルーンなど)
- ピーナッツ、カシューナッツ(無塩)
- ごま
- お茶、紅茶
- コーヒー(無糖)

血圧を下げてくれる食べ物は多くありますが総じて言えることは味付け次第です。
いくら野菜をたくさん摂取しても塩分高めのドレッシングで食べてしまえば高血圧のリスクは高まってしまいます。全体的に塩分は控え目で薄味を心がけることで高血圧のリスクを減らすことが出来るでしょう。
また、高血圧の人のために血圧をコントロールしてくれるようなサプリも多く販売されています。もちろんサプリを摂取すること自体は悪くありませんが、お薬と同様でそれさえ飲んでおけば高血圧が改善するというわけではありません。日頃からの食生活を気を付けなければお薬やサプリも意味をなさないことは言わずもがなです。
高血圧改善に繋がる運動
高血圧の改善に運動療法が効果的であることは厚生労働省のガイドラインでも記されています。ではどのような運動が高血圧の改善に効果的なのでしょうか。
- ウォーキング
- 軽いジョギング
- 水中ウォーキング
- 自転車

高血圧の改善に効果的と言われている運動は一般的には「有酸素運動」と呼ばれるもので、有酸素運動を行うことで以下のような効果を得ることが出来ます。
- 脂肪燃焼
- 血液の流れが良くなる
- 血管が広がり血圧が下がる
- ストレス発散
- 心肺機能向上
有酸素運動を行うことで高血圧の原因とも言われている肥満・ストレスを改善することが出来ます。
また、有酸素運動のような全身運動を行うことで血管が広がり血流が改善されるため血圧を下げてくれることで高血圧を改善してくれる効果があります。
有酸素運動の時間・頻度は?
有酸素運動は30分以上行うことが理想的です。
しかし、1時間以上行うと身体へ必要以上に負担を掛けてしまうことがあるため30~45分程度の有酸素運動を行うようにしましょう。
また、早朝や食後直ぐの有酸素運動は身体に負担を掛けてしまい逆効果です。起床後は約1時間後から、食後も1時間程度の時間を空けて実施することが望ましいです。特に高血圧の方は自分自身の体調と相談しながら運動を行ってください。普段の血圧よりも高めの場合は無理をしないことも大切です。
高血圧を改善させるために運動を行うさいに最も大事なことは「継続させること」です。
自分自身の身体が一朝一夕で変わることはありません。ましてやいきなり高血圧が改善されて薬要らずの生活になるなんてことはあり得ません。気を長くして無理のない範囲で継続させることで少しずつ血圧も身体も変化していきます。
有酸素運動は出来れば毎日行うことが望ましいですが、末永く継続することを考えた時に毎日実施は少し荷が重たくストレスになりやすいです。はじめは2日に1回や、決めた曜日だけは必ず運動するというルーティーンを自分の中で決めておくことでストレスを感じることも少なく長続きしやすいでしょう。
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