• お風呂の炭
  • 浴玉

「むくみ」を解消するお風呂の入り方

1日の終わりに「なんだか足が重だるい感じがする」「足がパンパンになって靴が脱ぎにくい」と感じることはありませんか?これは「むくみ」によるものです。
「お風呂のソムリエSHOP!」バスリエが行なった調査では、69%以上の人が「むくみが気になっている」と回答しています

むくみは血液やリンパの流れが滞ることで引き起こされます。血行をよくするためには運動やマッサージ、お風呂で温まるのが効果的です。しかし仕事や家事・育児で忙しいみなさんが、毎日の運動・マッサージの時間を確保するのは難しいですよね。そこで日々の習慣に取り入れやすいお風呂でのむくみ解消がおすすめです。
この記事では、特にお悩みの方が多い”足”のむくみについて「原因」と「効果的なお風呂の入り方」を看護師の筆者が詳しく解説します!毎日のお風呂でスッキリとした足を手に入れましょう。

この記事を書いた人

仲田百香

聖路加看護大学(現 聖路加国際大学)看護学部卒業。
看護師、保健師免許取得。
大学卒業後は都内大規模病院に勤務。
その後、出産を機に退職し、現在は3人の子育てをしながら
看護師、保健師、ライターとして3足の草鞋を履き、
自身の経験や知識で困っている方のお役に立ちたいと活動しています。

むくみの原因

むくみの原因を知ることで、生活習慣や食生活を改善し、むくみの軽減を目指します。

むくみとは?

人間の体は60%が水分です。そのうち40%が細胞内、20%が細胞外にあります。この20%の細胞外の水分(=細胞外液)がむくみに関わっています。
細胞外液は「血液に含まれる水分」や「細胞と細胞の間にある水分」で、血液の他にリンパ液もこれにあたります。これらの水分が栄養を送ったり老廃物を除去する役割を担っています。この働きによって体内の水分バランスを保つことができるのです。
なんらかの原因で体内の水分バランスが崩れ、皮膚の下の組織に余分な水分が溜まった状態が「むくみ」です。

足のむくみの原因はコレ!

むくみは「細胞の間の水分がリンパ管に吸収されにくい状態」や「血管から細胞の間に水分が通常より多く流れ出ている状態」を言います。特に気になる足のむくみの原因は以下の通りです。

  • 長い時間、同じ姿勢でいること
  • 運動不足
  • キツくて合わない靴
  • 締め付けの強い下着
  • 手足の冷え
  • 食生活

デスクワークや接客業などの立ち仕事で同じ姿勢のままでいると、重力により足に水分が溜まります。また、ふくらはぎの筋肉の動きによって下半身の水分は老廃物とともに回収されるのですが、同じ姿勢を続けることで筋肉の動きが少なくなり、血行不良となります。
運動不足で筋肉を動かす頻度が少ない、筋肉量の低下も血行不良につながります。
合わない窮屈な靴や締め付けの強い下着は、物理的に血液やリンパの流れを止めるのでむくみが生じます。
体が冷えている状態は、全身の細い血管がしまって血流が悪くなっている状態のため、むくみやすくなります。
食生活では、塩分のとり過ぎで水分を溜め込んでしまうことが原因となります。お酒を飲んだ翌日むくみやすいのは、実はアルコールのせいではなく、お酒と一緒に塩分の高いものを食べるからなのです。冷たい飲み物のとり過ぎも体が冷えるのでむくみにつながります。

このような生活習慣、仕事内容、食生活の影響でむくみが生じている場合は、これからご紹介する「お風呂の入り方」が効果的ですが、病気によるむくみの可能性もあります。
「急に出現したむくみ」「片足だけのむくみ」「痛みを伴うむくみ」「慢性的で改善されないむくみ」の場合、病院を受診するようにしてください。

むくみ解消の入浴法

血行不良がむくみの原因となることがわかりましたが、血行を促すのに効果的なのは「お風呂」です。


忙しい毎日にサッとシャワーで済ませてしまうのはもったいない!寒い冬はもちろん、夏場でも冷房や冷たい飲み物で体は冷えています。


いつもより少しお風呂の時間を確保して、リラックスとむくみ解消を手に入れましょう。

むくみを解消!マッサージグッズいろいろ♪

入浴前にやること

水分補給

入浴中は思っているより汗をかきます。脱水にならないよう水分をとってからお風呂に入ります。コップ1杯の白湯か常温の水を飲みましょう。

シャワーで水圧マッサージ

  1. 40℃程度のお湯に設定し、水圧は皮膚が少し凹む程度の強めの圧にする。
  2. 鼠径部(足のつけ根)⇨太もも⇨スネ⇨足首⇨足先まで足の前面にシャワーを当てる。
  3. 次に足先⇨ふくらはぎ⇨ひざ裏⇨太ももと足の裏側を足先から戻ってくる。
  4. これを2、3回繰り返し、マッサージする。

PICK UP ITEM

強水勢でボディマッサージ洗浄

シャワーヘッド「DADADA(ダダダ)」

水流が切り替えられるシャワーヘッド、ダダダ。

ノーマルモードで体を洗い、ジェットウェーブ水流に切り替えてボディマッサージ。

パワフルな刺激が男性に人気のシャワーヘッドです。

商品について詳しく見る

入浴時にやること

ぬるめのお湯でゆっくり入浴

38℃から40℃のぬるめの温度に設定したお風呂に入ります。ぬるめのお湯で15分から20分、ゆっくり時間をかけて体を温めることで血行がよくなります。最初はぬるく感じますが、徐々に温まりじんわり汗が出て代謝が上がります。

湯舟の中でマッサージ

足先から太もも、鼠径部(足のつけ根)に向かってマッサージしていきます。マッサージによって老廃物を排出するリンパの流れをよくすることができます。お風呂で体を温めながらマッサージをすると、より血行促進に効果的です。

マッサージの強さは気持ちのいい程度にします。老廃物が溜まっていると最初はゴリゴリと痛みを感じると思いますが、続けることで少しずつ力を強くしても痛みが出にくくなります。

  1. 足裏:両手を使って足裏をもみほぐす。足指を手で広げるようにしたり、手の指の関節を使って足裏をグイグイ押す。土踏まずの部分も親指の腹でしっかり押してマッサージ。
  2. 足首:足の先を持って足首を回しほぐす。くるぶしの内側の少し凹んだ部分をグッと押す。両手で足首をつかんで抑え、血流を止めてパッと離す。これを数回繰り返す。
  3. ふくらはぎ:ふくらはぎをつかんでもむ。こぶしをつくって足首からふくらはぎの前面や側面、後面をひざに向かってもみ上げる。
  4. ひざ裏:ひざ裏のリンパ節をもみほぐす。
  5. 太もも〜鼠径部:こぶしを作ってふくらはぎと同じように前面・側面・後面をもみ上げて鼠径部に流す。

PICK UP ITEM

お風呂で使えるおしゃれなマッサージツール

ツボ押し「コリネット」

たびたびTVや雑誌等で取り上げられるおしゃれなマッサージツール、コリネット。ツボを広範囲にもピンポイントでも捉えられるカタチ。手のひらサイズになので持ち歩けるといったところも人気のひとつ。

商品について詳しく見る

入浴後にやること

お風呂にじっくり浸かって、マッサージをすると体が芯からポカポカと温まっているのがわかります。お風呂で温まった体を冷やさないようにして、さらに次のことを行うことでさらに血行促進に効果があります。

水分補給

15分から30分安静にしてお風呂に入るだけで約800mlの水分が失われるといいます。体の水分が失われたままではドロドロ血となり、血行をよくすることができません。入浴後もコップ1杯の白湯か常温の水をとって適度に水分補給を行います。

ストレッチ

お風呂で血行がよくなっている状態でストレッチするのも効果的です。横になり手足を持ち上げてブラブラさせ、手足に溜まった余分な水分を心臓へ流すことができます。
屈伸運動や爪先立ちを20回程度行うのもふくらはぎの筋肉を動かし、血行促進につながります。

入浴後90分〜120分で入眠

良質な睡眠は血行促進にも重要です。人は体の深部体温が下がると眠くなります。ぬるめのお湯でゆっくり体を温めるとお風呂から出て90分程度で体温が下がっていきます。そのタイミングでベッドに入ると寝付きがよくなり、良質な睡眠を取ることができます。

足湯でもOK!むくみ解消の入浴法

長湯が苦手な方におすすめなのは足湯です。足湯でも十分にむくみ解消に効果があります。むくみ解消に効果的な足湯方法をご紹介します。

  1. 38℃〜40℃、ふくらはぎまで浸かるお湯を準備する。
  2. 水分補給:コップ1杯の白湯か常温の水を飲む。
  3. 15分から20分足を温める。
  4. 足首のストレッチ、マッサージ:足湯しながらか足湯後に足首を回す、足裏やふくらはぎをマッサージする。
  5. 水分補給:コップ1杯の白湯か常温の水を飲む。

PICK UP ITEM

リビングや寝室で…どこででも足湯ができる!

「ハユール」フットケアバケツ

妊娠中やケガをしていて、自由にお風呂に入れない、そんな方におすすめな足湯バケツ。

プラスチックで軽量なので扱いやすく、蓋もついているのでお湯も冷めにくくなっています。

商品について詳しく見る

これは逆効果!NGな入浴法

体を温めて血行をよくするとむくみ解消に効果的ですが、ただ温めたら良い訳ではありません。むくみ解消に逆効果となる入浴法や危険なお風呂の入り方をお伝えします。

熱すぎるお湯の温度

熱いお湯の方がすぐに体が温まりそうだと考えるかも知れませんが、42℃以上のお風呂に入るのは体に負担があり注意が必要です。
42℃以上のお風呂に入ると、交感神経が優位になるという研究結果があります。交感神経が刺激されるとお風呂でリラックスするどころか、興奮状態になってしまうのです。また、末梢の血管が収縮して血圧を高くします。末梢の血管が締まることは血行促進の妨げになります。
興奮状態になることで寝つきも悪くなるため、38℃から40℃程度のお風呂に入ることを心がけてください。

長すぎる入浴時間

長くお風呂に浸かるのは、心臓に負担があり注意が必要です。脱水や肌の乾燥、良質な睡眠を妨げるというデメリットもあります。長くても30分以内にお風呂から出るようにしましょう。

水分をとらない

「水分をとらずにお風呂でたくさん汗をかいた方がむくみ解消につながる」これは間違った情報です。むくみは血行不良によって引き起こされるため、口から水分をたくさん飲んだからといってむくみに直接つながる訳ではありません。むしろ、水分をとらずに長くお風呂に入ると脱水になって危険ですので、必ず水分はしっかりとってお風呂に入ってください。

入浴剤で温浴効果をプラス

お風呂上がりcheck!

これまでにご紹介した「お風呂の入り方」を1日の終わりに習慣づけることで、血行がよくなりむくみ改善につながることが期待できす。そこで、むくみが改善されたかどうか、お風呂上がりに簡単にできるチェック方法をご紹介します。

お風呂上がりcheck!

その1

足の甲の5本の指からつながる骨がちゃんと見えているかどうかチェック。骨がちゃんと見えている、皮膚の下にすぐ骨を確認できる状態だと、むくみがなくスッキリしていると言えます。

お風呂上がりcheck!

その2

すねの骨の内側を親指の腹で5秒強く押さえます。その後親指を離して、できたくぼみが5秒たっても戻らない場合、むくんでいると判断します。

この方法で朝と夕方、お風呂上がりにチェックするとむくみの評価ができますね。毎日何回もチェックするのが難しい方は、お風呂上がりに1回チェックするようにしてみてください。

まとめ

足のむくみ解消に効果的なお風呂の入り方をご紹介しました。血行不良の改善は1日にしてならず、です。毎日ゆっくりと入浴することは、むくみの解消だけではなくストレスの緩和、良質な睡眠を得られるなどメリットがたくさんあります。忙しい日々のご褒美として入浴剤にこだわって、贅沢な時間を楽しむのもいいですね。

バスリエでは「むくみに対する実態調査」を引き続き実施することで、よりよいお風呂情報をご提供したいと考えております。ご協力をお願いいたします。