温泉と一口で言ってもその泉質は実に様々。1つとして全く同じ成分を持つ温泉はありませんが、温泉法により大まかに10種類に分けられています。
その中の1つである「単純温泉」。
単純、と聞くと成分が1つだけってこと?そんなに効果がないのでは?なんて思うかたもいらっしゃると思いますが、実は「単純温泉」はその名とは裏腹に全く単純ではないのです!
当記事では、そんな単純温泉の魅力と特徴について、解説していきます。
単純温泉の定義と効能効果
単純温泉とは以下の特徴を持つものです。
・湧出時の泉温が25℃以上
・温泉水1kg中に温泉水1キログラム中の溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000ミリグラム未満のもの
・特殊成分が規定量に達していない
言い換えると、上記9種の泉質それぞれよりも、効果が薄い温泉ということになります。ただし効果が薄い、というのは悪いことではなく、各物質の刺激が強すぎずお肌に優しいということでもあります。多くの人々に親しまれる理由は、その穏やかな効能にあります。特に自律神経不安定症、不眠症、うつ状態などの症状に対して効果があるとされています。
単純温泉のメリット
赤ちゃんからお年寄りまで楽しめる
前述のとおり、単純温泉は特定の成分が一定基準に達していないため、刺激が少ない温泉です。そのため、お肌の弱い赤ちゃんやお年寄りはもちろん、温泉に慣れていないひとも湯あたりの心配がなく安心して入れます。
温泉それぞれに個性・発見がある
単純温泉は成分個々で見ると少ないけれど、様々な成分をバランスよく含んでいる場合もあります。また、成分量ぎりぎりのところで上記の9種に入らなかったものもあります。例えば、塩類泉は温泉水1㎏の中に溶存物質が1000㎎以上含まれているもの、とされていますが、この溶存物質が1000㎎未満であった場合、例えば990㎎は含んでいる場合などであっても「単純温泉」となってしまうのです。そのため、単純温泉と言いつつも、ほぼ塩類泉と変わらない効果を得ることができます。
単純温泉は、含まれている成分をよく見ることにより、こういった発見をすることがあるため、温泉好きにはたまらない温泉であると言えます。
アルカリ性単純温泉なら美肌効果も!
単純温泉のうちpH7.5以上のものを弱アルカリ性単純温泉、pH8.5以上のものをアルカリ性単純温泉と呼びます。アルカリ性の温泉にはお肌を柔らかくし、角質を除去してくれる効果があります。そのため「アルカリ性単純温泉」の温泉はお肌に優しいだけでなく、嬉しい美肌効果も得られるということです。
飲泉経験するのにもおすすめ
単純温泉の飲用による効果は、特別なものは認められておらず、環境省の適応症一覧には掲載されていません。ただ単純温泉の飲用自体は可能なところが多くあり、飲用しても刺激が少ないため、療養目的ではないけれど飲泉をしてみたい!というかたにはおすすめです。
一度は行きたい!定番の単純温泉地
神奈川県 箱根湯本温泉
関東近郊にお住まいのかたであれば、一度は行ったことがあるのではないでしょうか。修学旅行で大涌谷とセットで行ったことがある、というかたもいらっしゃるかもしれません。駅近くに日帰り温泉もあり、気軽に立ち寄れるのが良い点です。
愛媛県 道後温泉
道後温泉といったらシンボルである本館の建物。浴室内部も、浴槽の中央に湯釜があり、大国主命・少彦名命の像が置かれているといった特徴的なものになっています。夏目漱石や正岡子規も通ったその歴史的温泉・施設。湯上がりには2階の大広間や3階の個室でお茶を飲みながら寛ぐこともできます(要予約)。
近辺にはからくり時計や坊ちゃん列車、松山城など見所も沢山です。足を運ぶ際には、夏目漱石の「坊ちゃん」を事前に読んで頂けるとより楽しいものとなるでしょう。
大分県 湯布院温泉
都市部から離れていて古い建物も多いため落ち着いた雰囲気が漂い、大人旅にぴったりの温泉地です。その一方で英国風テーマパーク「フローラルヴィレッジ」など可愛い施設もあり色々な楽しみかたができます。
その他の単純温泉、アルカリ性単純温泉の温泉地
鬼怒川温泉(栃木県)、水上温泉(群馬県)、越後湯沢温泉(新潟県)、下呂温泉(岐阜県)、修善寺温泉(静岡県)など
バスリエでは、温泉に関するアンケート調査を行っています。簡単な内容ですので、是非ご協力をお願い致します。