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もう寒くない!シャワーでバスルームを暖める

寒くなるとヒートショック対策として“お風呂に入る前にシャワーでお風呂場を暖めよう”という事をよく聞きますが、肝心の「何分でどのくらいシャワーを撒けば暖かくなるのか」ということは誰も教えてくれません。
“どんなふうにシャワーを使えばいいのか”“そもそも本当にシャワーだけで暖かくなるのか?”というお客様からの疑問の声に、お風呂のソムリエが実際に検証してみました。

【状況】

160×120×高さ200cm(ユニットバスの規格/1216サイズ/0.75坪タイプ)のバスルームにて実験

バスルームの気温:13.9℃  /  シャワーの温度:40℃  /  湯船:お湯張りなし

実験その1:床にシャワーをまく

【内容】

シャワーフックにシャワーをかけたまま、床に向かって出しっぱなしにしておき、ドアを閉めて5分。
(5分間=入浴準備時間を想定。)
普段浴びている程度の水量。1分ごとに室内温度を計測。

【結果】

5分で2.3℃(実際の温度13.9℃→16.2℃)上昇

シャワーフックにかけっぱなしにしておけばいいので、その間にタオルを用意したり服を脱いだりと入浴準備ができて、効率的な結果になりました。

実験その2:シャワーを壁にかける

【内容】

シャワーが壁に当たるようにシャワーフックにかけ、ドアを閉めて5分。
(5分間=入浴準備時間を想定。)
普段浴びている程度の水量。1分ごとに室内温度を計測。

【結果】

5分で1.8℃(実際の温度13.1℃→14.9℃)上昇

1.8℃の上昇では、体感的にあまり暖まっていないという印象でした。
同じ5分間出しっぱなしにする方法なら、床に向けてシャワーを撒く方が暖かくなるという結果になりました。床に撒く方が湯気が上の方へ拡散するからかと考えられます。

実験その3:浴室全体にシャワーをまく

【内容】

シャワーを床や壁に向かってまんべんなく撒く。
90秒後シャワーを止め、ドアを閉め湯気を閉じ込め、シャワーを撒き始めてから1分ごとに浴室温度を計測。
(5分間=入浴準備時間を想定)
普段浴びている程度の水量。

【結果】

5分で3.4℃(実際の温度13.8℃→17.2℃)上昇

ドアを閉めてからぐんと上昇。
実験1,2のようにシャワーフックにかけてお湯を出す方法と比べて、1分後から温度の上昇率がいいので、一方に向けてお湯を撒くよりも湯気が拡散しやすくなり、暖まりが早くなったのではないかと考えられます。

実験その4:熱めのシャワーをまく

【内容】

設定温度を45℃にし、シャワーを床や壁に向かってまんべんなく撒く。
90秒後シャワーを止め、ドアを閉め湯気を閉じ込め、シャワーを撒き始めてから1分ごとに浴室温度を計測。
(5分間=入浴準備時間を想定)
普段浴びている程度の水量。

【結果】

5分で3.1℃(実際の温度13.9℃→17.0℃)上昇

ドアを閉めてからぐんと上昇。
ですが、40℃のシャワーで同じ実験をしても上昇率にさほど差がなかったので、光熱費やうっかり熱い温度のままお風呂に入って「熱っ」ってなってしまうリスクを考えると、通常の温度で十分かとと思われます。

summary

  • シャワーでもバスルームを暖めることはできる!

  • 一番効果的な方法は”90秒間浴室全体にシャワーを撒く”

比較すると一目瞭然ですね。シャワーを撒く90秒はちょっと面倒に感じますが、5分間出しっぱなしの方法よりエコですし、シャワー実験をした中でもこの方法がもっとも上昇率がよい結果となりました。

実験では1分ごとに室温チェックに扉を開いたので、家庭では5分間閉めておけば湯気が逃げずにもっと暖かくなる可能性があります。
シャワーで暖める方法は、浴室暖房が付いていないバスルームや、寒い日に朝シャワーをする場合、湯船に浸からないシャワー派にオススメです。

※比較のグラフはシャワーを撒いた後(シャワーを止めた後)の時間に統一しています。