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interview:プロに直撃!本当におすすめのバスマットはどれ?

ジメジメした季節になると、真っ先に気になるのがカビ。
お風呂場だけでなく、布製品にもその心配は広がりますよね。
特にバスマットは一番湿気とカビが気になります。こんな時期にも快適に使えるバスマットはあるのでしょうか?
そこで、マット製品のプロフェッショナル・伊藤さんにお話をお伺いしました。

自由が丘にあるお店
「マット&ラグファクトリー」

マットを中心とした水回り雑貨の専門店です。おしゃれかわいいアイテムがたくさん。

― バスマットといっても色々な素材やサイズがありますよね。
選び方のポイントってあるのでしょうか?

伊藤さん:

そうですね、まず使う人数によってサイズを変えると良いと思います。
単身や2人暮らしだったら、縦の長さが50センチ以内の小さめのサイズ。ファミリーだったら幅が70センチ以上の大きめのものがいいですね。
あとは、洗濯する頻度を考慮した厚さ、毛足の長短や柔らかさ、触り心地の好みなどで選定するのもいいと思います。

― アクリルだと毛先がカットしてあって、綿だとループになっているものが多い印象なのですが、その違いは何でしょう?

伊藤さん:

アクリルでループになっているものもありますよ。
でも、吸水性を上げようと毛足を長くしてしまうと、ループが大きくなり足の指などに引っかかりやすくなってしまうんです。
カットパイルは、吸水性を保つように毛足を長くし糸量をできるだけ多くしても引っかからないようにカットしているんです。

意外に洗面マットを探されている方も多いです。
洗面マットはループですが、目が詰まっていて毛足が短いので、引っかかりにくく、髪の毛が絡まりににくいのが特徴です。

カットパイルはこうやって出来る!

店舗ではカットパイルバスマットを実際に縫って見せてくれます。
とても大きな針が6本並んだ大きなミシン。
その1本の針に糸が4本くらい通っています。
マットの裏側を上にしてミシンをかけていきます。

  1. カラフルな糸が通っていましたが、今回はわかりやすく赤糸で1本で直線縫いをしていただきました。
  2. 針が大きく、たくさんあるだけで、縫っている様子は普通のミシンと変わりはありませんが…。
  3. マットを表に返すと、すでにパイルがカットされていました!
  4. 仕組みはこのようになっています。

針の下で糸が引っ掛かって見えますが、これがパイルのループ部分をカットしているハサミ。針が上がると糸をカットする仕組みなんです。

実際に見てみると面白いですね。

“乾度良好”
吸水・速乾力に優れたバスマット。

― ここにも色々なマットがありますね。バスマットは1人目でびっしょりになってしまって、2人目以降快適に使えないことが多いのですが、最後までさらっと使えるものはあるのでしょうか…

伊藤さん:

一番のおすすめはこの「乾度良好」というバスマットです。
ここでは実験ができるので、ぜひ見てみてください。
緑の糸が一般的に売られているアクリルのバスマットの糸、白い色が「乾度良好」の糸です。
こちらを水にいれますので、どのくらい吸水するか見てください。

吸水性の実験を見せていただきました。

― まったく同じように見える糸ですが、白い方は一瞬で沈みましたね!

伊藤さん:

はい。一瞬でそれだけ吸水しているということです。緑の方はなかなか吸水しないので、しばらく置いておいても浮いたままです。

― 素材が違うんですか?

伊藤さん:

いえ、両方ともアクリル繊維です。
それなのにこんなにも吸水力に差が出るのは、「乾度良好」が独自に開発した特殊繊維を使っているからなんです。

繊維の1本1本に小さな穴がたくさん開いていて、これが水分を素早く吸収するポイントになっています。(イメージ図参照)
普通のバスマットに使われる繊維はこのような構造になっていないので、吸水力が違うんです。

― でも吸水力が凄いとなると、かえって一人目でびっしょりになってしまいませんか?

伊藤さん:

そちらも実験してみましょう。

2人目、3人目使っているとビシャビシャしてしまうのがバスマットのお悩みだと思うので、先程の実験で使ったバスマットを濡らしますね。
(手から水が滴るくらい濡らし、バスマットに手を裏表と拭うように押しつけます)
その後、上からティッシュで軽くおさえてみると…

一般的な方のティッシュには水がしみてきました。水が吸水されずに表面に浮いてしまっている状態ですね。
一方、右の白いバスマット・乾度良好の方のティッシュは濡れていません。
先程お話した特殊繊維がすぐに水分を吸い取ってしまうので表面に水分が残らないんです。
また、同時に水分も拡散するので乾きが早く、マットの表面はいつもカラッとドライになっています。洗濯後の乾燥も速いですよ。
同じ素材でも吸水性にもランクがあるんです。

― 見た目も触り心地もほとんど変わらないのに、こんなに差があるなんて驚きです。
購入するときはテストするわけではないので、見た目だけでは判断できませんね。

伊藤さん:

そうですね。素材も同じなのでパッと見た目では分かりません。

“乾度良好”はネームタグをつけていますので、それを目印に探していただければと思います。

「乾度良好」は当店でも数多く取り扱っております。

― その後実験を何回か繰り返しましたが、結果は変わらず。これならお風呂上りは快適ですね。

伊藤さん:

家族が多くても、いつでもさらっと使えます。
また銀イオン加工もされていて抗菌作用があるので、いつも清潔です。
多くの方が出入りする温浴施設にも使われているバスマットなんですよ。
(※実験はいつでも店舗で見ることが出来ます。気になる方はお声をかけて下さい)

バスマットのお手入れ方法。

― お洗濯はできるのですか?

伊藤さん:

はい。乾度良好は洗えます。他にも洗濯が出来るバスマットはいくつかあります。
バスマットはネットに入れて、単品でお洗濯してください。

― “乾度良好”は洗濯をしても、吸水性などの機能は変わらないんでしょうか?

伊藤さん:

はい。こちらも変わらずお使いいただけます。
ただいくつか注意点がありまして、繊維の目に柔軟剤が入り込んでしまうとせっかくの吸水力が落ちる原因になってしまうので、柔軟剤は使わないようにしてください。
また、他のバスマットにも共通しますが、バスマットの裏面のすべり止めは熱に弱いので、乾燥機や直射日光は避けた方が良いです。

 バスマットって洗濯するタイミングがイマイチわからないんですが…。

伊藤さん:

推奨されているタイミングというのは特に無いので、お客様の感覚で毎日でも数日に1回でも、気になった時に洗っていただければ大丈夫です。
お風呂上がりなので素足だってキレイだと思われる方もいらっしゃいますが、入る前にもバスマットに乗りますよね。またお風呂上がりでも足裏の皮脂などが付着します。マットの繊維に皮脂などの油分や汚れが付着すると吸水力が弱まってしまうので、定期的なお洗濯をおすすめします。
また、マットを敷きっぱなしにしてしまうとカビの原因になりますので、使った後は必ず掛けておくなどしてください。

 買い替えのタイミングは?

伊藤さん:

これも基本的にお客様の感覚にお任せですが、目安としては表面がへたってきた、どうしても汚れが取れなくなったなど、洗っても以前の風合いが無いと感じた時が替え時かと思います。

 目の前で実験を見せていただくことで、吸水性の違いやバスマット選びのポイントを知ることができました。
使う人も、お手入れする人も快適に使えるバスマットが見つかりそうです。


summary

  • 同じように見えるバスマットでも吸水性にはランクがある。
  • 洗濯するときは、ネットに入れて。柔軟剤は使わない。乾燥機も避ける。
  • バスマットを使った後は、カビを防ぐため敷きっぱなしにせず掛けておく。
  • マット&ラグファクトリー 自由が丘店

    バスマット、トイレマットなどのマット製品、そのほか水回りの雑貨を製造・販売している「オカ株式会社」初の直営店。
    「こだわりの生活用品を、実際に使って体験していただけるスペース」として、マットを作るミシンや糸、ご紹介した商品や吸水実験などもご覧いただけます。